ホーム
  領域代表者挨拶
  研究概要
  班員紹介
  シンポジウム
  技術紹介
  海外の動き
  国内の動き
  関連書籍
  サーキュラー
  画像集
  リンク
文部科学省科学研究費補助金「特定領域研究」細胞核ダイナミクス
    戻る    
公募研究班
しきり線
 
核内のヒストンアセチル化を時空間的に観察可能にする蛍光プローブの開発
伊藤 昭博
(理化学研究所・吉田化学遺伝学研究室・研究員)

研究分担者
佐々木 和樹
(理化学研究所・吉田化学遺伝学研究室・基礎科学特別研究員)

クロマチン構造を制御することにより遺伝子の発現を調節している重要な翻訳後修飾であるヒストンアセチル化を生細胞内で検出するために、蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET) を利用した蛍光プローブを開発し、時空間的なヒストンアセチル化の解析を可能にすることを目指す。さらにこの蛍光プローブを用いて、種々のストレス、増殖刺激などによる特定の核ドメインにおけるダイナミックなクロマチン構造変換と転写制御を、この蛍光プローブを用いて解析する。平成17年度は、FRETを利用したヒストンアセチル化蛍光プローブの作製を主に行う。

詳しくはこちらから
画像

核内ドメインへ蛋白をシャトルする新規蛋白MORC3とそのファミリー 
井上 徳光
(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター・研究所・分子遺伝学部門・部長)

外界からの刺激に応答し、様々な蛋白が核内ドメインへ適切に局在化する分子メカニズムを明らかにするために、本研究では、核内ドメインの1つPMLボディに注目し、PMLボディに存在する蛋白群の局在化に関わる新規蛋白MORC3とそのファミリー蛋白の機能解析を中心に行う。MORC3が、PMLボディに局在化する蛋白の何を認識し、PMLボディの何をターゲットにし、どのような方法で局在化に関わるかを明らかにする。平成17年度は、まず、MORC3依存的にPMLボディに局在する蛋白の同定およびMORC3自身のPMLボディ局在化に関わる領域と機能ドメインの解析を行う。

詳しくはこちらから
画像

核膜孔複合体のダイナミクス:メカニズムと制御機構の解析
今本 尚子

研究分担者
高木 昌俊

核―細胞質間分子流通の場として機能する核膜孔複合体は総分子量 66Mdaにも及ぶ、巨大な機能構造体である。最近、私たちはこの核膜孔複合体を可視化することに成功し、その分布と数が、細胞周期や細胞老化、細胞分化に伴って変化することを見いだした。これは、細胞核の枠組み構造の変化が細胞機能と密接に連動すること、核膜孔複合体がその良い指標の1つになることを示唆している。本研究を通して、核膜孔複合体の細胞核に対する構造的な役割や機能を追求したいと考えている。平成16年度は、生細胞イメージングを利用しながら、間期核における核膜孔複合体のダイナミズムと形成過程を捉えることのできる生細胞アッセイ系の樹立を目指す。また、細胞周期を通して核構造が最も動的に変化するDNA複製期と細胞分裂期に焦点をあて、解析の対象とする関与因子群の絞り込みを行なう。

詳しくはこちらから
画像
クロモキネシンKidによる分裂後期の染色体動態と娘細胞核形成の制御機構 
大杉 美穂
(東京大学医科学研究所癌細胞シグナル研究分野 助手)

分裂期の染色体動態と娘細胞の核形成は、引き続いて起こる高度に統率された運動である。紡錘体微小管と染色体の双方に結合するモーター分子であるクロモキネシンの機能と制御機構の解析を通し、その運動を担う分子基盤と制御機構を明らかにする。培養細胞を用い、染色体動態異常が引き起こす娘細胞核形態異常の詳細を明らかにし、マウスを用いてそれらの異常が個体に及ぼす影響の解明を目指す。平成17年度は分裂後期に染色体がひとまとまりとなって分配され、娘細胞核が形成される過程について、特にキネトコア以外の領域での染色体-微小管相互作用に着目した解析を行う。

詳しくはこちらから

画像
細胞核ダイナミクスにおける遺伝子の機能的収納機構の解明

大山 隆
(早稲田大学教育・総合科学学術院・理学科生物学専修・教授)

研究分担者
三谷 匡
(近畿大学先端技術総合研究所・助教授)

DNAのコンフォメーションや機械的特性がクロマチンの静態と動態にどのように関わっているかを明らかにする。我々はこれまでに、負の超らせんを擬態したベントDNAには、転写制御領域を転写開始可能な状態に保つ機能があることを見出した。また、クラスII遺伝子のプロモーターには、共通した特徴的な機械的特性があることを発見した。平成17年度は、マウスES細胞を用いて、ベントDNA構造のクロマチン制御能が細胞の分化に伴うクロマチンの静・動態の変動に影響されるかどうかを解析する。加えて、プロモーターに特徴的な機械的特性の生物学的意義について解析する。

詳しくはこちらから

画像
ヒト細胞におけるM期から複製開始にいたるまでの染色体構成因子のプロテオーム解析
小布施 力史
(北海道大学 大学院先端生命科学研究院 染色体機能ネットワーク研究室・教授)

染色体分配から複製開始にいたるまでの時期は、分配された染色体が脱凝縮し核膜が再構成されていくというダイナミックなプロセスが観察されるのみならず、次の細胞周期に進行するか否かのデシジョン、それに伴う複製開始複合体の形成など、細胞核の構造と機能に直結した課題が凝縮されている。本課題は、ヒトの姉妹染色体の分配時期から複製開始にいたるまでの染色体構成因子の量的な変動を、質量分析をもちいたプロテオーム解析により網羅的に明らかにすることを目的とする。また、量的な変動が顕著なものに着目し、この時期のイベントとの相関をRNA干渉法とイメージング技術、プロテオミクス技術を組み合わせた表現系の解析により生物学的な意義を明らかにしていきたい。

詳しくはこちらから
画像
分裂酵母テロメアの機能および維持機構に関する研究
加納 純子
(京都大学・生命科学研究科・細胞周期学分野・助手)

研究分担者
石川 冬木
(京都大学・大学院生命科学研究科・細胞周期学分野・教授)

染色体末端構造であるテロメアが、如何にして線状染色体を持つ生物固有の生命現象を制御しているかを理解するために、分裂酵母を用いて解析する。テロメアヘテロクロマチンの形成機構および機能の解明、テロメア領域における複製開始点の機能の解明、テロメア結合タンパク質によるテロメア機能制御機構の解明、および染色体環状化メカニズムの解明を目標にする。さらに、遺伝学的手法および生化学的手法を用いて新規テロメア構成因子の単離も試みる。平成17年度は、テロメア領域におけるヘテロクロマチン形成機構の詳細な解析に焦点を絞って研究を行う。

詳しくはこちらから

画像
蛍光相関分光法を用いた細胞核内ダイナミクスの解析

金城 政孝
(北海道大学・電子研・超分子分光研究分野・助教授)

研究分担者
高橋 保夫
(北海道大学・電子研・超分子分光研究分野・共同研究員)
斉藤 健太
(北海道大学・電子研・ナノシステム生理・特別研究員)

蛍光相関分光法(FCS)は高感度な単一分子検出法であり、細胞内の任意の一点での、蛍光分子の数とその分子の動き易さを測定することができる。分子の動き易さは、分子サイズと相互作用の強さに関連する。従って,分子サイズが変化しない場合,分子の動き易さから分子間相互作用を推定することが可能となる。本研究の目的はこのような手法を中心に他の1分子検出法も取り入れて,分子運動の特性に注目して,これまでのイメージング手法では明らかにできなかった核の機能と密接関連したダイナミックな機構が存在する事を明らかにすることである。

詳しくはこちらから

画像
マウス生殖細胞分化で起こる核内ドメインのダイナミクスとそのイメージング
栗原 靖之
(横浜国立大学・大学院環境情報研究院・助手)

精子に分化する雄性生殖細胞の分化過程では減数分裂や転写活性の消失、クロマチンの高度な凝縮や核形態変化など体細胞では観察されないほど大きな核内アーキテクチャーの変動が起こっている。従って、生殖細胞分化は実際に生体で起こる核内ドメインの動態を研究する上でユニークな実験系を提供すると考え、様々な核内ドメイン構成タンパク質のモノクローナル抗体を作成し、精子形成過程での発現変動を詳細に検討する。また、この時期機能するRNA結合タンパク質の細胞内局在が核内ドメインのダイナミックな変動に連動することやこれらタンパク質が特有な機構で核外移行することも明らかにしつつあり、その解析も併せて行う。
精子形成期に発現するRNA結合タンパク質の一つは初期球状精子細胞ではchromatoid bodyと核内でスペックル状に局在するが、後期伸長精子細胞ではアクロプラクソーム(核膜外)に局在する(ニューヨーク市立大学医学部キルスツェンバウム博士との共同研究)

詳しくはこちらから

画像
精子形成過程における核膜孔複合体の脱糖鎖と崩壊について
後藤 聡
(株式会社三菱化学生命科学研究所・糖鎖制御学グループ・グループリーダー)

核膜孔は、細胞内でGlcNAcにより糖修飾される蛋白質複合体である。しかし、その糖修飾の意義については必ずしも明らかになっていない。そこで、ショウジョウバエの精子形成過程をモデル系に、核膜孔の糖修飾と複合体形成とその機能の関係について解析する。具体的には、細胞内糖修飾を制御する糖転移酵素および脱糖鎖酵素が同定されているので、それを用いたRNAi法によって、核膜孔上の糖修飾を変化させ、その効果を解析する予定である。……

詳しくはこちらから

画像
細胞の増殖分化に関わる遺伝子発現と核内構造の時空間的解析
斉藤 典子
(熊本大学・発生医学研究センター・器官制御分野・助手)

研究分担者
中尾 光善
(熊本大学・発生医学研究センター・器官制御分野・教授)
斉藤 寿仁
(熊本大学・発生医学研究センター・器官制御分野・助教授)

核構造を基盤とした高次元遺伝子発現制御の新たな機構を明らかにするために、1)遺伝子発現の調節に細胞核の高次構造がいかに関わっているか、2)核内のダイナミクスや構造体形成にユビキチンファミリー様タンパク質SUMOによる翻訳後修飾がどのように機能しているかを解明する。細胞増殖・分化において転写活性が変動する遺伝子座と、PMLボディー・クロマチン間顆粒群(IGC)等の核内構造体を免疫FISH法で可視化し、位置関係の変動を見いだす。さらに、SUMO化反応を破綻させることにより、核内構造がどのような影響を受けるかを明らかにする。

詳しくはこちらから

画像
X染色体不活性化センターにおけるアンチセンス制御機構
佐渡 敬
(国立遺伝学研究所人類遺伝研究部門・助手)

ほ乳類の雌は発生初期に,2本あるX染色体のうち一方を不活性にすることで,雄との間にあるX染色体連鎖遺伝子量の差を補償している. このX染色体不活性化には,X染色体連鎖非コード遺伝子Xistが重要な役割を果たす.Xist RNAは不活性化に先だって一方のX染色体から発現され,そのX染色体にシスに結合することで染色体ワイドの不活性化を引き起こす.そして,このXistの発現はその転写単位を完全に含むアンチセンス非コード遺伝子Tsixによって制御されていることがわかってきた.本研究では,Xist/Tsix遺伝子座のアンチセンス制御の分子機構を検討する.

詳しくはこちらから

画像
核内脂質シグナル及び核移行蛋白質の可視化システムを用いた細胞周期制御機構の解明
白井 康仁
(神戸大学・バイオシグナル研究センター・助教授)

研究分担者
斎藤 尚亮
(神戸大学・バイオシグナル研究センター・教授)
上山 健彦
(神戸大学・バイオシグナル研究センター・助手)

近年、核内でもフォスファチジルイノシトールリン酸やジアシルグリセロール(DG)などの脂質シグナルが産生されることが明らかとなり、脂質代謝酵素とともに、その細胞周期制御における役割が着目されはじめている。しかし、脂質関連酵素の核移行がどのように細胞周期を制御しているのか、また核内の脂質動態とどのように結びついているのかは不明である。そこで、16年度は、脂質関連酵素であるPKC及びDGキナーゼ(DGK)の核移行と核内脂質シグナルの動態に着目し、核内脂質動態とPKC及びDGKの核移行との関連、さらには細胞周期との関連を解析する。

詳しくはこちらから

画像
FRETによる単一生細胞でのPMLボディ生理機能の可視化
十川 和博
(東北大学・生命科学研究科・教授)

研究分担者
安元 研一
(東北大学・生命科学研究科・助教授)
高崎 親久
(東北大学・生命科学研究科・助手)

低酸素や外来異物などのストレス応答に関与する転写調節は、転写因子間の複雑で、ダイナミックな相互作用によって行われる。この分子間相互作用を生きた細胞で、FLIM-FRETを計測することによりイメージングする。これらの転写因子のいくつかは、核内でPMLボディーに局在していることが判明しているが、転写因子とPMLボディー構成タンパク質の相互作用や、構成タンパク質間の相互作用をFLIM-FRETでイメージングすることにより解析する。

詳しくはこちらから

画像
クロマチン形成複合体と細胞核の機能構造
田上 英明
(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科・助教授)

ヒストン複合体をはじめとするクロマチン制御複合体解析を通してクロマチン形成、維持、変換の詳細な分子機構およびそのダイナミクスの解明を目指す。今年度は分子遺伝学的手法が容易、かつヒト等の高等真核細胞に近いクロマチン機能及び因子群を持つことが報告されている分裂酵母をモデル系として、種々のヒストン複合体を精製する。各種ヒストンと相互作用する全ての因子を網羅的に同定すると同時に、複合体同士の機能的ネットワークとクロマチン形成のダイナミクスについて焦点を絞って解析する。

詳しくはこちらから

画像
染色体テリトリーと核タンパク質の同時可視化の開発に関する研究
田辺 秀之
(総合研究大学院大学・先導科学研究科・生命体科学専攻・助教授)

間期核における核内染色体は高度に区画化された「染色体テリトリー」を持ち、哺乳類各種細胞における知見から、個々の染色体のサイズや遺伝子密度に相関した放射状核内配置をとることが示唆されている。染色体テリトリーと各種核タンパク質との相互作用を明らかにするために、両者を同時可視化する実験系を開発し、細胞周期を通してそれらの動態観察を行い、相互作用や結合様式の詳細を調べ、染色体テリトリーの3次元核内配置を規定する因子の探索を目指す。平成17年度は、各種核タンパク質の蛍光検出とそれに引き続き3D-FISH法を組み合わせたマルチカラー免疫抗体-3D-FISH法を確立する。

詳しくはこちらから

画像
アフリカツメガエル卵母細胞単離卵核を用いた核膜トポロジーの解析
土屋 勇一
(東邦大学医学部生化学教室・助手)

アフリカツメガエル卵母細胞の卵核は核-細胞質間の物質輸送能など体細胞核の性質を保持している一方で、染色体の量に比して巨大なため核内膜-染色体間の結合がない。また卵核をオイル中で単離することにより、細胞質との間の物質輸送を遮断した状態で解析できる。本研究ではこの特殊性を利用し、卵母細胞単離卵核を新たな実験系として用い細胞核の機能を探る。平成17年度においては主にGFP融合組換え蛋白質を用いて、核内膜蛋白質の局在機構の解析、ラミンネットワークの脱重合に関与する分裂期プロテインキナーゼの解析に焦点を当てる。

詳しくはこちらから

画像
分裂期染色体の構造解析(クロマチンイメージング)に基づく核ゲノム機能の解明
前島 一博
(理化学研究所・今本細胞核機能研究室・基礎科学特別研究員)

細胞核は様々な細胞に即したゲノムの高次構造を担っており、その高次情報はゲノムが「むき出し」になっている分裂期染色体においても何らかの形で保持されている。本研究はこの分裂期染色体の高次構造を「見る」ことによって、核内ゲノムの高次構造および機能の理解に貢献することを目的とする。具体的には空間的な情報が得られる透過電子顕微鏡tomography(断層撮影法)をもちいて染色体を3次元再構築し、染色体中の1本1本のクロマチン繊維のイメージングをおこなう。そして染色体のクロマチンorganizationに隠された核ゲノムの高次の情報を明らかにしたい。

詳しくはこちらから

画像
テロメアアーキテクチャーの構築原理とその破綻による老化誘導機構の解明
松浦 彰
(千葉大学理学部生物学科分子細胞生物学講座・教授)

テロメアは染色体末端を構成するDNA-タンパク質複合体であり、その機能破綻は異常染色体の生成、細胞の老化を引き起こす。これまでの研究で、テロメアの複製は細胞周期特異的な構造変換に共役して進行し、その過程にDNA損傷部位に局在化する複数の因子が関与することを明らかにした。本研究では、出芽酵母をモデルとして複製期特異的なテロメア構造変換の分子機構に関する解析を行う。さらに、テロメアをDNA損傷末端と区別する分子装置を明らかにすることで、テロメア機能の喪失による老化誘導メカニズムを解き明かすことを目指す。

詳しくはこちらから

画像
細胞環境の変化に応答した核膜孔複合体構成分子の動態に関する研究
宮本 洋一
(大阪大学大学院生命機能研究科 細胞ネットワーク講座 細胞内分子移動学グループ・助手)

従来より、核膜孔複合体(Nuclear Pore Complex: NPC)は不変の存在として理解され、構成分子であるヌクレオポリンの存在量や動態が細胞環境に応じて変化するという知見はほとんどない。本研究課題では、NPCが環境に応じてヌクレオポリンの存在様式を変え、核輸送制御さらには核内イベントに積極的に関与している可能性を検証しようとするものである。特に、酸化ストレスをはじめとする様々な環境ストレス、老化や分化、極性といったいまだメカニズムの不明な現象に焦点を当て、これら複雑な細胞環境に応答したNPCの動態と核機能の新たな解明に挑戦していく。……

詳しくはこちらから

画像
時間軸に沿った核での物質動態可視化技術の開発
三輪 佳宏
(筑波大学大学院人間総合科学研究科・分子薬理学・講師)

異種生物タンパク質や変異タンパク質の中には、普段は生きた細胞中でユビキチン-プロテアソーム系を介して迅速に分解されるが、特定の分子との相互作用によりこの分解を免れる、という性質をもつものがある。こうしたタンパク質をデグラトンタグ、これを蛍光タンパク質などの検出可能なタンパク質と融合させたものをデグラトンプローブと呼ぶことにし、その応用方法の開発を進めている。本研究ではこの可視化技術を核での物質動態の解析に応用する。平成17年度は、TimerやKaedeといった波長特性に変化を起こすことができる蛍光タンパク質をデグラトンプローブに応用し、時間変化を解析する技術を開発する。

詳しくはこちらから

画像
初期胚発生における核ダイナミクスのイメージング
山縣 一夫
(筑波大学・生命環境科学研究科・国際地縁技術開発科学専攻・講師)

有性生殖を行う生物の生殖細胞では、配偶子形成から受精を経て初期胚発生に至るまでの間に、体細胞では見られない特異でダイナミックな核構造変化が見られます。その中でも特に受精や初期胚発生は、雌雄配偶子由来のクロマチンが新個体の体細胞としての性質を獲得していく過程であり、それら核内においてさまざまなイベントが短時間につぎつぎと起きていきます(図)。しかし哺乳動物の場合、その分子生物学、生化学的な解析は配偶子の量的、質的な問題からとても難しいのです。そこで本研究では、マウスをモデルに新たな実験手法として胚発生に影響を与えずに分子イメージングできる実験系を完成させ、そのシステムを用いて初期胚発生における核ダイナミクスに関する新たな知見を得たいと考えています。

詳しくはこちらから

画像
CENP-Aクロマチンリモデリング機構の解明
依田 欣哉
(名古屋大学・生物機能開発利用研究センター・純系動物器官機能利用分野・助教授)

ヒト染色体セントロメア領域はI-型αサテライト配列上にCENP-Aヌクレオソームが形成されることによって決定される。CENP-A/B/C複合体はDNAの繰返しを反映してなんらかの繰返し構造を形成しているものと予想される。間期核内におけるセントロメア複合体 (ICENと略記) を抗CENP-A抗体を用いて単離・精製し約40種類の蛋白(ICEN1~40)を検出した。これらの蛋白を解析することによって、間期セントロメア複合体の形成過程、染色体分配に関わる新規タンパク質の発見、及び間期核内におけるセントロメア領域の機能が明らかにされるものと考えている。平成17年度はCENP-Aクロマチンリモデリング機構について研究を進める。

詳しくはこちらから

画像

バクテリアの核様体の動的形態変化を司る因子と機能領域の時空間解析
仁木 宏典
(国立遺伝学研究所・系統生物研究センター・原核生物遺伝研究室・教授)

原核細胞では染色体DNAが膜構造に包まれておらず、このため真の核とは見なされず、細胞内の染色体DNAの高次構造体は「核様体」と呼ばれる。そして、むしろ核様体は、凝縮した染色体に近い。この核様体は原核細胞内で、規則的な配置を取っていることが知られており、真核細胞の染色体が同じく規則的な核内配置を取る点で類似している。このように一見異なっているように思われるが、原核細胞の核様体の構築やその配置は、真核細胞の核内の染色体の構築やその配置と共通する分子基盤があると考えられる。この公募研究では、バクテリア核様体の動的形態変化を司る因子であるバクテリアコンデンシンMukB、新生DNA鎖の凝集因子SeqA、バクテリアセントロメアmigSとその結合因子らが核様体の構築に関わる際の分子機能の解明をめざす。

詳しくはこちらから

画像
クロマチン構造制御から迫る核小体形成機構
奥脇 暢
(筑波大学大学院人間総合科学研究科・講師)

研究分担者
永田 恭介
(筑波大学大学院人間総合科学研究科・教授)

核小体はリボソームの合成の場であるとともに、細胞周期や細胞の老化の制御など、様々な細胞機能をつかさどる重要な核の機能領域である。核小体の主要な構成因子は、リボソームRNAをコードする遺伝子領域を含む染色体と、リボソームRNAやsnoRNAなどのRNA分子、リボソームRNAの修飾に関わる因子群である。核小体は細胞周期を通じてダイナミックに構造変換することが知られているが、その分子機構は明らかではない。本研究は核小体構造の維持とその崩壊、再構築の過程に着目し、核小体の形成機構を明らかにすることを目的として解析を進める。

詳しくはこちらから

画像
ウイルス潜伏感染特異的遺伝子発現制御に関わるウイルスゲノム構造基盤と核内構造連関
上田 啓次
(大阪大学大学院・医学系研究科・微生物学・助教授)

私どもの研究室ではDNA腫瘍ウイルスであるγヘルペスウイルスの一つ、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(Kaposi’s sarcoma-associated herpesvirus; KSHV or human herpesvirus 8)を材料にその潜伏感染におけるウイルスゲノム複製、遺伝子発現制御の研究を行っている。潜伏感染はこのウイルスのもつ腫瘍発生能或はその形質維持に重要と考えられその詳細な分子機構を明らかにすることは治療標的をいかに設定するかという問題にも通ずる需要事項であると思われる。潜伏感染では80以上のウイルス遺伝子のうち一つの領域の203個の極限られた遺伝子しか発現しない。どのような機構がはたらいているのか潜伏感染に複製やゲノム維持に必須なウイルス因子であるlatency associated nuclear antigen (LANA)の核内における宿主因子と相互作用と核内における局在・機能との関連を明らかにすることを目指している。

詳しくはこちらから

染色体ダイナミクスに関わるタンパク質の構造・機能解析
胡桃坂 仁志
(早稲田大学・理工学術院・助教授)

核構造は、細胞周期を通してダイナミックに変動している。その核内の構造体の中でも、染色体が最もドラスティックな構造変換を示している。染色体の構造ダイナミクスは、遺伝子の発現制御、DNA複製、DNA組換えなどを調節する重要な生体機構である。本研究では、染色体ダイナミクスとDNA代謝との機能相関を明らかにするために、ヒストンなどの染色体の構成タンパク質群や、染色体の動的変動を触媒するDNA組換え酵素の機能および構造解析を、精製タンパク質を用いた試験管内再構成系および構造生物学的手法によって行う。平成17年度は、特に染色体のセントロメア領域特異的なヌクレオソーム構造について、試験管内再構成系を用いて解析する。

詳しくはこちらから

画像
動物細胞核内複製・転写時の高次クロマチンダイナミクス
奥村 克純
(三重大学・生物資源学部・教授)

哺乳類細胞核の内部構造と高次クロマチンおよびドメインの実体や、そのダイナミックな構造変換による核内イベントの制御を明らかにするために、視覚的解析技術を駆使して複製・転写と核マトリックスやクロマチン構造の関係を解析する。すなわち、核マトリックスと転写・複製時のクロマチンループのダイナミクス、複製フォーク可視化法によるゲノム上のレプリコン構成やフォークの進行制御のダイナミクス、クロマチンファイバーによる各因子間の相互作用の解析などを行う。

詳しくはこちらから

画像
ゲノムリプログラミングにおける体細胞核のダイナミクス
多田 高
(京都大学・再生医科学研究所 幹細胞加工研究領域・助教授)

運命決定された体細胞が、様々な組織に分化できる多能性をもった幹細胞に変わる現象 "ゲノムリプログラミング"は、核エピジェネティクスの書き換えによってもたらされる。ゲノム全体におよぶ変化は、クロマチン構造のダイナミックな変化と密接に関わると推察される。本研究では、イメージングの技術を導入し、ゲノムリプログラミングにおけるクロマチン構造のダイナミズムの可視化を目指している。マウス未受精卵への体細胞核の核移植(クローン)やES細胞と体細胞の細胞融合の実験系を用いたクロマチンダイナミクス研究から、リプログラミング機構の引き金となる鍵が解き明かされるのではないかと期待している。

詳しくはこちらから

画像
FA架橋によるヒストンH3及びH4テール依存的クロモネマファイバー構造の検出
須賀 則之
(独)理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター タンパク質構造・機能研究グループ タンパク質構造研究チーム 研究員)

生命現象の根幹をなす、核内現象(転写、複製、修復、組換え)は遺伝情報(ゲノムDNA)に基づいている。伸張したとすると、約1.7-8.5 cmの長さになるゲノムDNAは、ヒトの細胞において直径約5-20 μm程の細胞核にクロマチンとして収納されている。すなわち、クロマチンの理解が核内現象の理解には必要である。

詳しくはこちらから

画像

         
    Copyright (c) 2004-2009, nuclear-dynamics. All Rights Reserved.