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研究内容 |
細胞には、ゴルジ装置やミトコンドリアなどのオルガネラが存在し、それらに固有の蛋白が、正しく局在化するメカニズムは、既に詳しく解析されている。核内にも、核小体、PMLボディ、Cajalボディといった核内ドメインが存在し、蛋白やDNAがそれぞれに正しく配置されるが、その分子メカニズムは、ほとんどわかっていない。特に、外部からの刺激に応答し、転写の活性化やDNA修復、複製が正しく起こるためには、それぞれの応答に対して、適切な核内ドメインへ蛋白は集積したり、核質へ拡散したりする必要があると考えられる。
私たちは、GHL-ATPase、CWドメイン、Coiled-coil領域をもつMORCファミリー蛋白群のうち、Morc1を、精子形成に異常のあるマウスからポジショナルクローニングにより最初にクローニングした。MORCファミリー蛋白のうち、MORC3が、PMLボディへの蛋白局在化に関与することから、本研究では、まだ明らかにされていない核内ドメインへの蛋白局在化メカニズムとその局在化が細胞レベルやマウス個体レベルにどのような影響を持っているかを解析する。さらに、その他のMORCファミリー蛋白の機能解析を通し、核や細胞質の他のドメインへの局在化メカニズムを解明する。 |
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井上 徳光(研究代表者)
<地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター・研究所・分子遺伝学部門・部長> |