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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

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プレスリリース概要

2019.01.18

脳が左右非対称に働く仕組みが初めて細胞レベルで明らかに

名古屋大学
自然科学研究機構 生命創成探究センター
自然科学研究機構 基礎生物学研究所

ヒトの脳の基本構造は左右対称ですが、多くの場面で左右非対称に働きます。そのために、左右の脳の間で互いに抑制しあう「相互抑制回路」の重要性は、以前から提唱されていましたが、回路構成の詳細と機能は長い間謎のままでした。今回、名古屋大学の小田 洋一 名誉教授、島崎 宇史 大学院生および自然科学研究機構生命創成探究センターの東島 眞一 教授らのチームは、熱帯魚ゼブラフィッシュの後脳(延髄)で働く相互抑制回路を単一細胞レベルで明らかにした上で、その相互抑制回路は、魚が一方向に素早く逃げるときに重要な役割を果たすことを見出しました。魚の脳は、哺乳動物と基本的に同じ構造をしているため、今回の研究成果は左脳と右脳の間の相互抑制回路が我々の手足の左右非対称な運動に果たす役割の解明につながると期待されます。
 
この研究成果は、平成30年12月21日付米国科学雑誌Journal of Neuroscience誌電子版に掲載されました。

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図:逃避運動回路に含まれる2つの相互抑制回路