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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

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プレスリリース概要

2024.02.15

ゲノムDNAの機能を制御する遺伝子を発見 〜ゲノム編集やiPSリプログラミングに応用可能〜

金沢大学
自然科学研究機構 基礎生物学研究所

金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)/がん進展制御研究所の宮成悠介准教授,ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)の田川綾子研究員,基礎生物学研究所/総合研究大学院大学生命科学研究科の石井智子博士課程学生(研究当時)らの研究グループは,ゲノムDNAの機能制御に関与する遺伝子TFDP1を同定しました。さらに,TFDP1の機能を阻害することで,ゲノム編集やiPS細胞リプログラミングの効率を上げることに成功しました。

本研究では,転写因子TFDP1がクロマチン形成に必須なヒストンタンパク質の転写制御の中心的な役割を担っていることを見出しました。本研究成果は,遺伝子発現などのゲノム機能に関与するクロマチン構造がどのように制御されているのか,という生物学上の大きな謎の一つに答えるものです。また,TFDP1を阻害することで,細胞内のクロマチン構造を人為的に操作するユニークな方法を樹立しました。この技術は,ゲノム編集やiPS細胞リプログラミングだけでなく,ワクチン開発や再生医療分野など幅広い研究分野に活用されることが期待されます。

本研究成果は,2024年2月15日5時(米国東部時間)に国際学術誌『Nature Genetics』のオンライン版に掲載される予定です。

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