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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

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プレスリリース概要

2009.07.31

植物の受精を制御する因子を発見 ~植物のオスとメスの協調性は遺伝子の重複によって進化した~

異なった種類の植物を交配しても種ができません。この大きな原因の一つは、花粉管からの精細胞(動物の精子に相当する細胞)の放出と雌しべの卵装置での卵細胞の開放が調度良いタイミングで起こらないことにあります。基礎生物学研究所 生物進化研究部門の宮崎さおり研究員らの研究グループは、シロイヌナズナ(アブラナ科)を材料として、花粉管側で卵装置を認識する因子を発見しました。しかも、今回発見した花粉管側(雄側)因子はこれまで報告されていた卵装置側(雌側)因子と、花の咲く植物の雄雌が進化した頃に、同じ祖先遺伝子から進化してきたことがわかりました。雌雄で互いを認識する因子が同じ遺伝子に起源していたという発見は植物の雌雄の協調性がどのように進化するのかを解明する第一歩になりました。また、今回の発見により、異なった種間での交配を可能とする仕組みの研究が進み、将来的には、作物の品種改良への応用が期待されます。この成果は、米国の科学雑誌カレントバイオロジー電子版にて7月30日(米国東部時間)に発表されました。