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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

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プレスリリース概要

2019.06.20

ダイズの油の品質と収量を向上させる新たな仕組みの発見

植物由来の油は、食用油として、また環境に配慮したバイオ燃料やバイオプラステックの原料として世界中で幅広く利用されており、植物油脂の需要は年々拡大しています。ダイズ油は主要な植物油脂であり、その重要性からより高品質な油脂をできるだけ多く収穫できるダイズの開発がこれまで行われてきました。今回、基礎生物学研究所の金井雅武研究員と真野昌二准教授らの研究グループは、油脂を分解する酵素のリパーゼであるGlycine max SUGAR DEPENDENT-1 (GmSDP1)が、ダイズ油脂の品質と収量をコントールしていることを明らかにしました。これまでの植物油脂の品質と収量を改良させる取り組みとして、油脂の合成に関わる遺伝子の研究が進められて来ました。今回の研究では油脂の分解に関わる遺伝子に着目し、種子内に蓄積された油脂の分解を抑制することが、ダイズ油脂の品質と収量の向上につながることを明らかにしました。研究グループが明らにした成果は、植物種子における油脂合成・分解メカニズムの解明につながるだけでなく、高付加価値の作物を生み出す新たな方法として期待されます。この成果はScientific Reports誌に2019年6月20日付で掲載されました。

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