基礎生物学研究所 季節生物学研究部門の中山友哉特別共同利用研究員(名古屋大学 大学院生)、新村毅特任助教(現東京農工大学 准教授)、四宮愛特任助教、吉村崇客員教授(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 教授)らのグループは、基礎生物学研究所の成瀬清特任教授、竹花佑介助教(現長浜バイオ大学 准教授)、亀井保博特任准教授、名古屋大学の田中実教授、西村俊哉助教、東京大学の大久保範聡准教授らとともに、メダカのストレスに対する応答性(ストレス応答)の季節変化に長鎖ノンコーディングRNAが関与していることを明らかにしました。
四季が明瞭な地域では季節ごとに環境が大きく変化します。動物たちはこの環境変化に適応するために、外部環境からのストレスに対する応答性を季節によって変化させることが知られていましたが、その分子機構は明らかになっていませんでした。本研究では日の長さを変化させた際に、メダカの視床下部と下垂体において網羅的な遺伝子発現解析を行ったところ、日の長さの変化によって発現が顕著に変動する機能未知の長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)を見出しました。このlncRNAの機能を調べたところ、繁殖期に自己防衛行動や不安様行動などのストレスに対処する行動を制御していることが明らかになりました。本成果は科学雑誌Nature Ecology & Evolutionに2019年4月8日付けでオンライン掲載されます。