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2014年06月02日
運動学習は大脳皮質深部の神経細胞活動パターンとして記憶される 〜大脳皮質深部の神経活動を長期間にわたって記録することに世界で初めて成功〜

自然科学研究機構 基礎生物学研究所の正水芳人研究員、田中康裕研究員、松崎政紀教授らのグループは、東京大学大学院医学系研究科(喜多村和郎准教授)、玉川大学脳科学研究所(礒村宜和教授)、日本医科大学(岡田尚巳教授)との共同研究により、マウスが道具を使って運動課題を学習する過程において、2光子顕微鏡を用いたカルシウムイメージング法により大脳皮質運動野の浅層から深層(脳表から約500 μm)に至るまで、延べ八千個の神経細胞の活動を2週間にわたって計測することに世界で初めて成功しました。その結果、学習期間において動物が運動課題に熟達する中期から後期にかけて、学習した運動の記憶が大脳皮質深層、特に大脳基底核へ信号を送る細胞の新たな活動パターンとして保持されることがわかりました。本研究成果は、運動学習や運動制御のメカニズムと運動疾患の病態に関する理解を深めるとともに、新しい人工知能や自律的に運動するロボットの設計に大きく貢献するものです。本研究は、JST戦略的創造研究推進事業(CREST)および文部科学省科学研究費助成事業の成果で、科学雑誌Nature Neuroscience(ネイチャー ニューロサイエンス)の電子速報版に日本時間2014年6月2日に掲載されます。

 

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 新しい運動の練習を続けると、大脳皮質運動野第5層で、予測精度情報量を高める細胞(黒丸)が増え、より効果的に脊髄に信号を送る新しい神経回路(赤囲み)ができ、練習した運動が熟練化する。

 

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研究グループの松崎政紀教授(左)、正水芳人研究員(中)、田中康裕研究員(右)