森林総合研究所
自然科学研究機構 基礎生物学研究所
ポイント
・スギの全染色体をカバーする参照ゲノム配列を染色体の端から端まで正確に構築
・無花粉など有用な品種の開発・育成が加速
・気候変動の針葉樹への影響を正確に予測可能
概要
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所、東京大学、基礎生物学研究所、新潟大学、筑波大学、国立遺伝学研究所の研究グループは、スギの全染色体をカバーする塩基配列を解読、約5万個の遺伝子とその位置もほぼ特定し、種を代表する標準配列「参照ゲノム配列」を構築しました。スギのゲノムは巨大なため、解読が遅れていましたが、最新の分析技術を使った配列構築により、約55,000個の遺伝子を同定しました。無花粉など有用な品種の開発をはじめ、スギの進化過程の予測や気候変動の影響予測に役立つものと期待されます。本研究成果は、2023年1月15日に米国サンディエゴで開催されたPlant and Animal Genome 30(PGA30)国際会議のForest Tree Workshopで口頭発表が行われ、2月25日にはbioRxivでプレプリントが公開されました。
注意:本論文は査読前のプレプリントとして公開されたものです。今後、学術雑誌での査読により記載内容の一部が修正される可能性があります。
写真1 ゲノム解読に使用したスギの自殖系統(茨城県つくば市)