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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

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プレスリリース概要

2020.04.30

PMLボディによる遺伝子制御のメカニズムの一端を解明

自然科学研究機構 基礎生物学研究所
自然科学研究機構 生命創成探究センター
金沢大学

基礎生物学研究所/生命創成探究センターの栗原美寿々研究員および宮成悠介特任准教授(現所属:金沢大学ナノ生命科学研究所 准教授)らは、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の淵上剛志准教授らと共同で、PMLボディによる遺伝子制御メカニズムの一端を明らかにすることに成功しました。

PMLボディは、がん抑制因子であるPMLタンパク質が凝集してできた構造体で、ゲノムDNAと一緒に核内に存在します。研究グループは、ALaP法という新規技術を開発することにより、PMLボディがY染色体上の遺伝子群を制御していることを明らかにしました。PMLボディがDNAメチル化酵素DNMT3Aを制御することによって、Y染色体の遺伝子を操っていることを見いだしました。

本研究は、これまで謎に包まれていたPMLボディの機能の一部を明らかにしたもので、PMLボディが関与するさまざまな生命現象(がん化、老化、ウイルス応答)の理解を深めることにつながると期待されます。

本研究成果は、2020年4月29日(米国東部標準時間)に専門誌『Molecular Cell』のオンライン版に掲載されました。

fig2.jpg図:PMLボディによる遺伝子制御
PMLボディはY染色体の遺伝子と寄り添うように存在し、遺伝子発現を制御している。特に、DNAメチル化酵素DNMT3Aを排除することにより、Y染色体の遺伝子群が正常に働くように機能している。