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プレスリリース概要

2019.11.26

光化学系II-集光装置超複合体の立体構造を決定 〜分子量166万の巨大集光マシンの全貌が明らかに〜

自然科学研究機構 基礎生物学研究所
自然科学研究機構 生理学研究所

植物や藻類は,太陽光エネルギーを集めて電気化学エネルギーに変換して利用することで二酸化炭素を固定し炭水化物を合成します(光合成反応)。その中心となるのは、光化学系I、光化学系IIと呼ばれる二種の膜タンパク質色素超複合体です。光化学系IIは光エネルギーを電気化学エネルギーに変換しますが、その際に水を酸化して酸素を発生することでも知られています。このように炭水化物や酸素の生産に必要な酵素ですから、人間を含めた地球上の生物にとって光化学系IIは大変重要です。今回、基礎生物学研究所/総合研究大学院大学の渡邉顕正大学院生と皆川純教授、生理学研究所の村田和義准教授、中国科学院の柳振峰教授らを中心とした国際共同研究チームは、光化学系IIとこれに光エネルギーを与える集光装置の全体(超複合体)を緑藻から取り出して、その立体構造をクライオ電子顕微鏡にて決定しました。これにより、巨大集光マシンによって集められた光エネルギーの流れが解明されました。この成果は2019年11月26日に植物科学専門誌Nature Plantsに掲載されました。
 
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光化学系II-集光装置超複合体の分子模型