植物や藻類は,光のエネルギーを利用して二酸化炭素を固定し糖を合成します(光合成)。そのため、強い光のある環境の方が好ましい環境であると思われがちですが、多くの場合地表に届く光は光合成装置の限度を超えており、直射日光にさらされた植物は常に光合成装置破壊の危険と隣合わせです。この危険を避けるため、植物や藻類は強い光を浴びたときに、そのエネルギーから身を守るしくみであるqEクエンチングを発達させて安全に光合成を行っています。今回、研究グループがqEクエンチングを引き起こすシグナル経路を藻類を使って詳しく調べたところ、その根幹部分がCUL4-DDB1
DET1と呼ばれるE3ユビキチンリガーゼであることが明らかになりました。このE3ユビキチンリガーゼは植物から動物まで広く存在していました。本研究は基礎生物学研究所 環境光生物学研究部門の相原悠介研究員、皆川純教授らのグループによる成果です。本研究成果は
Nature Plantsに2019年1月1日にオンライン先行掲載されます。
今回明らかになった強光シグナル伝達モデル