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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

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プレスリリース概要

2006.07.27

気孔開口を仲介する光受容体の進化

植物は、気孔と呼ばれる微小な開口部を介して水の蒸散を行ったり、光合成に必要な二酸化炭素を大気から吸収します。このように植物の生存を左右する気孔の開閉は、光環境や乾燥が関与する非常に複雑なメカニズムで制御されており、植物生理学の重要な研究課題の一つです。今回土井らは、シダ植物をもちいて光による気孔開口の制御のしくみを研究しました。種子植物ではフォトトロピンという色素蛋白質が気孔開口のための光受容体であることが既に知られていますが、シダ植物の場合はこれと異なり、光合成色素であるクロロフィル(葉緑素)が気孔開口のための光受容体としても働いていることが判明しました。気孔とその開口機構の進化を考察するうえで重要な発見です。本研究は九州大学理学部と基礎生物学研究所との共同研究として実施され、研究の詳細は、Plant Cell Physiology誌 2006年6月号に掲載されました。