基礎生物学研究所
2007.12.25
基礎生物学研究所 植物発生遺伝学研究部門の塚谷裕一客員教授(東京大学大学院 理学系研究科教授)が12月25日発表の第4回 日本学術振興会賞を受賞しました。受賞対象の研究は「葉の形態形成メカニズムの解明」です。日本学術振興会賞は、我が国の学術研究の水準を世界トップレベルにおいて発展させるために、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者(45歳未満対象)を顕彰し、その研究意欲を高め研究の発展を支援する必要から平成16年度に創設された賞で、日本学術振興会が選考を行います。(賞の詳細は日本学術振興会 日本学術振興会賞紹介ページをご覧下さい。) 受賞式は3月3日に日本学士院で行われる予定です。
塚谷教授 近影
略歴:1964年生まれの43歳。1993年東京大学理学系研究科植物学専攻博士課程修了、博士(理学)。東京大学分子細胞生物学研究所 助手を経て、1999年 基礎生物学研究所 助教授、2005年 東京大学大学院理学系研究科 教授および基礎生物学研究所 客員教授に着任、現在に至る。
塚谷教授は、植物の葉の形づくりに関するユニークかつ世界トップレベルの研究を行う傍ら、作家としての才能も持ち合わせ、「植物のこころ」(岩波文庫)、「ドリアン 果物の王」(中公新書)など、多くの著書を発表しています。文藝春秋発行の2007年度版ベスト・エッセイ集「ネクタイと江戸前」(日本エッセイスト・クラブ編)には、基礎生物学研究所でのオオバコの矮小型の研究を題材として書いた文章『日本人とオオバコ』(初出は『文學界』2006年12月号)が選ばれ、所収されています。また基礎生物学研究所 塚谷研究室のホームページには植物学者の目線から岡崎の植物を紹介するページ「岡崎の植物」が掲載されています。 (http://www.nibb.ac.jp/bioenv2/okazakip.html)
この度、日本学術振興会より、日本学術振興会賞という賞をいただけることとなりました。葉の形態形成のメカニズムに関して、学位取得後、他のどこでも進められていない独自のテーマとして1から始め、一貫して進めてきました私たちの研究を、このような名誉ある賞という形で評価いただけたことは、非常に光栄なことであり、嬉しく存じます。これまでこの研究テーマに関しては、1993年から東大分生研、1999年より基生研そして2005年から東大理学系研究科と、それぞれの研究機関で、また各時期における研究助成プログラムにおいて、数多くの先生方のご助言、ご助力を受けて参りました。今回の受賞につながったこれまでの研究成果は、ひとえにこれらご支援のおかげです。ここに、深く感謝の意を表したく存じます。ただ、これまでの研究を、受賞を機に振り返ってみれば、まだまだ不十分な点が多いと反省せざるを得ません。しかしこの賞は、同時に、奨励の意味の強い賞であるとも聞いております。今回のご評価を機に、さらに、葉の形態形成とその多様性の形成過程に関する研究を、研究室一同、さらに広く深く進めていきたいと考えています。またどうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
塚谷 裕一
独立行政法人 日本学術振興会
URL: http://www.jsps.go.jp/
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生物進化研究部門 客員教授
東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 発生進化研究室 教授
塚谷 裕一 (ツカヤ ヒロカズ)
TEL: 03-5841-4047 (研究室)
E-mail: tsukaya@biol.s.u-tokyo.ac.jp
URL: http://www.nibb.ac.jp/bioenv2/indexj.html
基礎生物学研究所 連携・広報企画運営戦略室
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