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2015年03月16日
食虫植物サラセニアの小動物を食べる葉ができる仕組みの発見 〜細胞の変化が著しい形の変化を引き起こす〜

 食虫植物は奇妙な形の葉を持ち、小動物を捕らえ食べることで貧栄養地にも生育できます。進化学の太祖であるダーウィンは「食虫植物」という本を書き、その後も多くの研究がなされてきましたが、奇妙な形がどのように進化したかは未解明でした。

 サラセニアは、北米原産で袋のような葉を作り、その中に消化液を溜め、落ちた小動物を食べてしまいます。従来、ハスのような盾状の葉を作るのと同じ仕組みで筒状の葉が進化したと考えられてきました。基礎生物学研究所および総合研究大学院大学 生命科学研究科 基礎生物学専攻の福島健児大学院生と長谷部光泰教授らは、同研究所の藤田浩徳研究員や川口正代司教授、東京大学の塚谷裕一教授らと共同で、走査型電子顕微鏡による形態観察、葉を作る遺伝子の働きを調べる実験、コンピュータシミュレーションによる再構成実験などを行い、袋のような葉の形作りの仕組みを調べました。その結果、サラセニアの葉は、盾状の葉とは異なった独自の仕組みで進化した可能性が高いことがわかりました。すなわち、葉の特定の場所で細胞の分裂方向を変える、という細胞レベルの変化で、平らな葉から袋への大きな形の変化が引き起こされていることが明らかになりました。この成果は、3月16日に科学誌Nature Communications(ネイチャー コミュニケーションズ)に掲載されます。

 

members.jpg温室にて、研究チームの長谷部光泰教授、福島健児大学院生、藤田浩徳研究員、川口正代司教授