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プレスリリース概要

2013.02.18

マウス初期胚におけるダイナミックかつ左右非対称なカルシウムシグナルを発見 ~左右非対称決定のメカニズム解明への手がかりに~

 基礎生物学研究所の野中茂紀准教授と高尾大輔研究員らは、北海道大学電子科学研究所、理化学研究所、大阪大学大学院との共同研究により、マウス発生の左右非対称決定に関わることが示唆されるカルシウムシグナルを発見しました。

 マウス発生において左右が最初に決まるのは、胚表面のノードと呼ばれる部位です。かつ、この部位における細胞内カルシウムが重要であることが分かっています。しかし、肝心のノード細胞のカルシウム動態は分かっていませんでした。

 本研究では、ノードを構成する数百の細胞がダイナミックにカルシウム濃度の上昇下降を繰り返すことを新たに発見しました。これを詳細に解析することにより、将来の左右が決定される時期に、最初は左右差のなかったカルシウム上昇の頻度が、左側でより高くなることを突きとめました。そしてこのカルシウムシグナルは体の左右性決定に関わっていることが示唆されました。この知見は、私たちの体の左右非対称がどのように生み出されているのかを知るための重要な手がかりです。本研究は米発生生物学会誌「Developmental Biology」電子版に掲載されました。

 

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高尾大輔研究員