基礎生物学研究所
日本には、大学共同利用機関と呼ばれる、特定の大学に所属しない研究所が数多くあり、研究者の研究交流の中心として、また大型実験機器の共同利用の場として機能しながら、トップレベルの研究活動を展開しています。大学共同利用機関はまた大学院教育の場でもあります。基礎生物学研究所も大学共同利用機関のひとつですが、研究所では、数十人の大学院生たちが優れた研究環境で高度の指導を受けながら、日夜研究に励んでいます。彼らの多くは「国立大学法人 総合研究大学院大学」という大学院だけの大学に所属する学生です。
大学といえば、ふつう大きなキャンパスに建物が建ち並び、学生たちはそこに通って勉学をするというイメージがありますが、総合研究大学院大学はまとまったキャンパスを持たず、全国に点在する20の基盤機関(その多くは大学共同利用機関です)での研究活動が大学院教育の本体となっています。総研大の基礎生物学コースに入学すると、愛知県岡崎市にある基礎生物学研究所で研究生活を送ることになります。入学式と学位授与式などの行事は、神奈川県の葉山にある本部に全コースの学生が集まって行われ、他のコースの学生との交流を持ち、総研大生としての一体感を味わう場となっています。
基礎生物学コースは、総研大の先端学術院に属する20のコースのひとつです。
基礎生物学コースには、大学卒業者が入学し、5年間をかけて博士号の取得を目指す5年一貫制博士課程と、修士課程修了者が入学し、3年間をかけて博士号の取得を目指す博士後期課程があります。入学の時期は4月と10月です。
基礎生物学研究所には総研大基礎生物学コースの教育制度の他に、大学共同利用機関として、国、公、私立大学の要請に応じて、大学院の博士課程及び修士課程に在籍している学生を「特別共同利用研究員」として受け入れ、研究指導をすることにより、大学院教育の協力を行う制度があります。