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国際連携

プラクティカルコース - 開催リスト

The 8th NIBB International Practical Course, The 3rd NIBB-TLL-DBS/NUS Joint International Practical Course "Experimental Techniques using Medaka and Xenopus - The Merits of using both - "

Organizers Kiyoshi Naruse (NIBB and NBRP Medaka)
Akihiko Kashiwagi (Hiroshima Univ. and NBRP Xenopus)
Christoph Winkler (NUS)
Yasuhiro Kamei (NIBB)
Venue National Institute for Basic Biology (NIBB), Okazaki, Japan
Date Sep. 22–Oct. 1, 2014
Link ウェブサイト (http://www.nibb.ac.jp/course8/)
Poster The 8th NIBB International Practical Course, The 3rd NIBB-TLL-DBS/NUS Joint International Practical Course


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 平成26年9月22日―10月1日の日程でThe 8th NIBB International Practical Course, The 3rd NIBB-TLL-DBS/NUS Joint International Practical Course "Experimental Techniques using Medaka and Xenopus - The Merits of using both - "を開催した。このコースは一昨年シンガポール大学を会場としておこなわれたThe 2nd NIBB-TLL-DBS/NUS Joint International Practical Courseを受けて、基礎生物学研究所おいて開催されたものである。参加者は国際公募を行った。その結果29名の応募者の中から台湾、香港、インド、インドネシア、バングラデシュ、ドイツ、米国、日本から16名の参加者を選定した。大学院学生の参加者は旅費のサポートを行った。一方で発展途上国から参加する研究者はかなり大きな経済的負担をすることとなった。今後は学生と非学生の区別だけではなく国の経済規模を考慮したサポートシステムが必要かもしれない。

 今回のNIBB International Practical Courseの特徴は従来から行ってきたメダカ・ゼブラフィッシュを材料とした実習に加えて、アフリカツメガエル・ミナミツメガエルを材料とした実習も開催したことである。これらのワークショップを通じて小型魚類とゼノパスの2つのコミュニティーを繋ぎ、複数の実験系を用いた研究を体験していただくことを意図してコースの内容を企画した。この企画意図の裏にはここ数年の間に急速に発展してきたゲノム編集技術(TALENやCRISRPR-CAS9による変異体作成)の発展がある。この技術が開発されたことで従来遺伝学的解析が難しかった材料においても次々と変異体が作られ“革命”と言われるほどの技術革新が進んでいる。このような研究環境・技術の変化を受けて、メダカ、ゼノパスともにTALEN/CRISRPR-CAS9によるゲノム編集を用いた遺伝子ノックアウト・ノックイン技術、IR-LEGOによる遺伝子発現調節技術、2光子顕微鏡と光シート顕微鏡によるライブイメージング、変異体の長期保存に重要な精子凍結技術などの実習を行った。事後アンケートの結果を見るといずれの実習も受講生には大変好評であった。これらの実習に加えて最終日と日曜日を除く毎日17時よりその分野の一線の研究者を招いてセミナーを行った。セミナーの内容は、脊椎動物の季節適応メカニズム、初期胚による体細胞核の初期化メカニズム、CRISRPR-CAS9による遺伝子ノックイン技術の開発、IR-LEGOによる遺伝子発現調節系の新展開、メダカ配偶者選択の分子神経機構の解明、ゼノパスを用いた四肢再生メカニズムの解析、イベリアトゲイモリを用いた再生研究の展開といずれのセミナーも複数システムによる研究の醍醐味や小型魚類や両生類を用いた先端的かつ興味深いテーマであった。

 国際連携室の方々を中心として実習期間の提供された食事にもイスラム圏からの参加者に配慮するとともに、その内容にも十分なバラエティーを持たせるなど深いホスピタリティーを感じるものであった。日々の食事はワークショップに積極的に参加する源であるので、この部分を担っていただいた国際連携室の方々にはこの場をお借りして大きな感謝を捧げたい。またコースを共催いただいたNBRP Medaka、NBRP Xenopus, 新学術領域「再生原理」及びCREST「光展開」に感謝申し上げる。最後に実習に必要な様々な準備をしていただい広島大学両生類研究所、基礎生物学研究所バイオリソース研究室、基礎生物学研究所光学解析室のスタッフの方々に感謝申し上げる。

成瀬 清(NIBB and NBRP Medaka)


「国際トレーニングコース」が終了してから、早くも1ヶ月が過ぎて晩秋の候を迎えようとしている。私事ながら、このコースの開かれた9~10月上旬は連日にわたる超過密スケジュールをどうにかやりくりするのがやっとという有様であったため、何事も余裕を持って考える暇など到底なかった。ようやく今になって、“この行事の重要性と意義”とか“一致団結の力の大切さ”などをしみじみと痛感している次第である。

 このコース開催の発端はこうである。昨年の第84回日本動物学会岡山大会の会場で成瀬先生があのにこやかな笑顔で近づいて来られ、突然、声高に“来年、NBRP─メダカとNBRP─ネッタイツメガエルとの共同で国際講習会を開きませんか”というお言葉をいただいたのであった。NBRP─メダカに全精力を注ぎ込み活躍しておられ、しかも私達の信頼も厚い先生からのご提案に対して即座に快諾という運びとなったわけである。

 受講者の選考は書類審査によるものであった。選ばれた若者たちに研究への情熱や真摯な態度、そして思考レベルの高さを読み取ることができた。実習や受講で見せた彼らの意気込みと集中力、講師陣や実験担当者たちの張り詰めた緊張感にはただならぬものが感じられた。だが、それも最終日の夕食会では一変した。出席者には一様に‘すべてが無事に終了した’という安堵感が漂っていた。海外からの受講者たちは短期間のうちに‘ジャパナイズ’されていた。受講した若者たちは研究に関する多くのことを学び、国境を越えた友情の芽生えも感じ取ったに違いない。彼らの心には、日本あるいは基礎生物学研究所での印象が深く刻み込まれたことだろう。彼らが将来どう成長し科学の発展に貢献していくのか楽しみである。

 落選した応募者の中には期待を裏切られたと感じた人たちも少なくはなかったはずである。国際貢献を視野に入れるとすれば、今後、応募者たちの国情等も鑑みるなど選考基準にもう少し幅を持たせてはどうだろうか。  今回の行事が成功裡に終わったのも、多くの関係者方々の一方ならぬご努力のおかげであったことを決して忘れてはならない。

柏木昭彦(Hiroshima University and NBRP Xenopus)

 

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Program

 

Mon, September 22nd, 2014
14:00 - 16:00 Arrival and Registration
16:00 - 16:30 Opening Remarks & Orientation
16:30 - 17:30 Seminar by Dr. Yoshimura, Takashi (Nagoya Univ./NIBB)
18:00 - 20:00 Welcome Party
 
Tue, September 23rd, 2014
09:00 - 10:00 Outline for procedure of TALEN by Dr. Sakuma
10:00 - 10:30 Outline for Xenopus manipulation by Drs. Suzuki, Miyamoto and Teperek
10:30 - 12:00 Manipulation of Xenopus embryo
13:00 - 16:30 Manipulation of Xenopus embryo
16:30 - 17:30 Seminar by Dr. Winkler, Christoph (Univ. of Singapore, Singapore)
18:00 - 20:00 Social Hour
 
Wed, September 24th, 2014
09:00 - 09:30 Outline for microinjection in Xenopus by Drs. Suzuki, Miyamoto and Teperek
09:30 - 12:00 Microinjection of TALEN mRNA in Xenopus egg
13:00 - 16:30 in vitro fertilization in Xenopus tropicalis
16:30 - 17:30 Seminar by Dr. Miyamoto, Kei (Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute)
18:00 - 20:00 Social Hour
   
Thu, September 25th, 2014
09:00 - 09:30 Outline for procedure of CRISPR/Cas9 by Dr. Kinoshita
09:30 - 12:00 in vitro transcription of sgRNA
13:00 - 17:00 sgRNA purification
17:00 - 18:00 Seminar by Dr. Thumberger, Thomas (Heidelberg Univ., Germany)
 
Fri, September 26th, 2014
09:00 - 09:30 Outline for microinjection in medaka by Dr. Kinoshita
09:30 - 12:00 Microinjection of sgRNA and Cas9 mRNA into medaka egg
13:00 - 17:00 Observation of artificially inseminated Xenopus embryos
17:00 - 18:00 Seminar by Dr. Kamei, Yasuhiro (NIBB)
 
Sat, September 27th, 2014
09:00 - 09:30 Outline for procedure of Cryopreservation by Dr. Sasado
09:30 - 12:00 Dissection of Testis/Sperm Freezing
13:00 - 13:30 Outline for procedure of Insemination by Dr. Sasado
13:00 - 17:00 Insemination/Observation
17:00 - 18:00 Seminar by Dr. Takeuchi, Hideaki (Univ. of Tokyo)
   
Sun, September 28th, 2014
 
Mon, September 29th, 2014
09:00 - 10:30 Observation of TALEN or CRISPR/Cas9 induced mutants
10:30 - 11:00 Outline for procedure of IR-LEGO by Drs. Yokoyama and Kamei
11:00 - 12:00 in vivo Cell Manipulation using IR-LEGO
13:00 - 17:00 in vivo Cell Manipulation using IR-LEGO
17:00 - 18:00 Seminar by Dr. Yokoyama, Hitoshi (Tohoku Univ.)
 
Tue, September 30th, 2014
09:00 - 09:30 Outline for procedure of Live Imaging by Drs. Nonaka and Kamei
09:30 - 12:00 Live Imaging
13:00 - 14:00 Seminar by Dr. Ogino, Hajime (Nagahama Institute of Bio-Science and Technology)
14:00 - 17:00 Live Imaging
17:00 - 18:00 Seminar by Dr. Hayashi, Toshinori (Tottori Univ.)
 
Wed, October 1st, 2014
09:00 - 10:00 Outline for PCR genotyping of CRISPR/Cas9 induced mutants by Dr. Kinoshita
10:00 - 12:00 DNA extraction and PCR
13:00 - 17:30 HRM/Electrophoresis
18:00 - Farewell Party
 
Thu, October 2nd, 2014
Departure