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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

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トレーニングコース - 開催リスト

2012 NBRPメダカ-NIBB 精子凍結・人工授精トレーニングコース

Organizers 亀井 保博、成瀬 清(基礎生物学研究所)、谷口 善仁(慶應義塾大学)
Venue 基礎生物学研究所
Date Aug. 9-10, 2012
Link ウェブサイト (http://www.nibb.ac.jp/medaka_course/)

【開催目的等】

(コース開催にあたって、HPメッセージより)

基礎生物学研究所(NIBB)では様々な生物を使って研究が行われていますが、ナショナルバイオリソースプロジェクトメダカ(NBRPメダカ)の中核機関としてメダカ研究者コミュニティへバイオリソースと情報の提供を行っています。そのサービスの一環として、バイオリソース研究室と光学解析室では、慶應義塾大学の谷口善仁博士の協力を得て「メダカTILLING変異体スクリーニング」のサポートを2010年度後半より開始しております。初期の参加者はスクリーニングで得られた変異体を実際に解析するステージとなり始め、複数のTILLING変異体ユーザーから得られた変異体系統のバックアップのために必要となる精子凍結および人工授精技術を身に付けたいとの希望が寄せられています。そこで、NIBB-NBRPメダカでは「精子凍結と人工授精法のトレーニングコース」を国内研究者向けに開催することにしました(NIBB国際プラクティカルコースは、本年度シンガポールで開催)。小型魚類研究者コミュニティのメーリングリストで行ったトレーニングコース実施におけるアンケートでは、実習以外の項目として、イメージング技術に関連する講演の聴講希望がありましたので、コース合間などにいくつかの研究技術の講演を入れることにし、リソースのバックアップ技術の習得と、変異体解析に必要な飼育法、さらには画像解析法などを知って頂く機会とし、メダカを使った研究のアクティビティ向上に貢献したいと考えています。さらに、新学術研究領域「配偶子幹細胞制御機構」(領域代表吉田松生)にも協力頂き、セミナーも充実させました。一方で、本研究所で新規にスタートするIBBP(大学連携バイオリソースバックアッププロジェクト)についても皆さまにご紹介する機会とさせて頂きたいと思います。

本コースが、メダカ研究におけるバックアップ技術の習得と、変異体解析に必要な飼育法や画像解析法などを知る機会となり、さらには、研究者の交流の場となり、新たな共同研究の契機となれば幸甚です。 

【総括】

募集は基生研HP(広報作成)ならびに、小型魚類研究者のML(400名規模)および、基生研でのNBRP-TILLINGライブラリースクリーニングを行った研究者(約40名)へのメールで勧誘した。募集定員10名のところ応募が多数であったため19名で実施した。海外からも1名(日本人)が旅費サポート無しでも参加した(UC Davis)。

当日、会は成瀬准教授の挨拶で始まり、IBBPに関して説明があり、その後亀井によるコースガイダンスを行い、笹土研究員による講習前レクチャーを実施した。その後の講習は順調に進み、各自1~2回は人工授精を実施できた。夕方はメダカ変異体を使った研究などの講演を2演題と、野中准教授による先端イメージングの講演があり、夜には懇親会を行った。懇親会では参加者全員によるパワーポイントを使った自己紹介を行い、参加者各自の簡単な研究紹介も行った。これは参加者同士がお互いどの様な研究を行っているかを知る良い機会となったようである。2日は朝から精子凍結のレクチャーならびに講習を行い、参加者1名による研究紹介講演、昼食は弁当を配布し光学解析室の顕微鏡紹介をランチョンセミナー形式で行った。午後はさらに2演題の生殖幹細胞に関連する講演があり、最後に基生研見学(光学解析室、水生生物室、野中研)を行った。

後日参加者にはアンケートを行った(メール)。回答では「もう少し実習時間が欲しかった」という意見が多かった。セミナーに関しては「6演題は少し多かった」という意見もあったが、内容的にはおおむね好評であった。日数は適当という意見が多かった。全般的に好評であったと思われる。懇親会を含めて研究者の交流の場としても機能したものと思われる。

主催側の感想や問題点は、トレーニングルームの備品(具体的には顕微鏡)が無く、成瀬研、光学解析室双方から持ち出して設置した。CCDカメラ付き倒立顕微鏡(簡易タイプで良い)が1台設置してあれば良いと思う。後は、コース開催時の消耗品費、セミナー講演者招聘旅費などが欲しいところである。今回は共催(IBBP)、協力(谷口重点課題)からのサポートで行った。小型魚類の国際トレーニングコースが開催されない年には、NBRPや、IBBP関連の行事として同様の規模のコースを行うのが良いかと思う。 

【参加者等の人数等】

講習参加者:19名(海外1名、国内18名)

(参考)研究者の使用生物種;メダカ13名、ゼブラフィッシュ2名、ゼノパス3名、ラット1名

講演:6題、講師:6名(うち4名は実習にも参加)

講演聴講者:38名(参加者以外で所内から10名程度)

スタッフ:8名(光学解析室3名、バイオリソース研究室5名) 

Program

8/9 (木)

12:30-13:00         受付

13:00-13:20         挨拶、IBBPの紹介、コースガイダンス(成瀬、亀井)

13:20-14:00         人工授精レクチャー(笹土)

14:00-16:00         人工授精実習(チーフ:笹土、サポート:亀井、成瀬、石川、蟹江)

16:00-16:40        

 講演1:「メダカ変異体を使った解析例・飼育のコツと成長の標準化について」

              水産総合研究センター 増養殖研究所 吉浦 康寿 博士

16:40-17:20        

 講演2:「生きた個体の深部を観察する顕微鏡技術」

              基礎生物学研究所 野中 茂紀 博士

17:20-18:00

 講演3:「メダカTILLINGの現状」

              慶應義塾大学 医学部 谷口 善仁 博士

18:00-20:30        

 懇親会       自己紹介: パワーポイントによる簡単な研究紹介

 

8/10(金)

9:00-9:30           精子凍結レクチャー(笹土)

9:30-11:30         精子凍結実習(チーフ:笹土、サポート:亀井、成瀬、石川、蟹江)

11:30-12:10        

 講演4: 「遺伝子改変メダカを用いた小胞体ストレス応答の解析」

          京都大学大学院 理学研究科 石川 時郎 博士

12:10-13:30 

 ランチ&セミナー(基生研光学解析室の顕微鏡紹介:亀井)

13:30-14:30     

 講演5:「生殖細胞の凍結による魚類遺伝子資源の長期保存」

          東京海洋大学 海洋科学部 吉崎 悟朗 博士

13:40-15:30 

 講演6:「凍結融解後の細胞の生存性は融解速度に支配される」

    東京海洋大学 海洋科学部 関 信輔 博士

15:30‐16:00     基生研見学(水生生物室・光学解析室・野中研等)  

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