Nov 2008

総研大合同セミナーが開催されました

報告:基礎生物学専攻 D3 森田仁さん

季節が秋から冬へと変わってゆく11月末、神奈川県は葉山にある総研大キャンパスで学生・教員合わせて130人ほどが集まるイベントが1泊2日で行われました。今回で5回目を迎えるこの総研大・生命科学系合同セミナーは、普段は遺伝研、生理研、基生研、そして葉山にある先導研にそれぞれ分かれて研究をしている生命科学系の学生が年に一度集い、交流を深めることを一つの目的として始められました。今回、基生研からは19名(学生12名、教員7名)が参加して、当日は岡崎から貸し切りバスで約5時間かけて葉山へと赴きました。

セミナーでは各専攻の学生による口頭発表と全員参加のポスター発表があり、質の高い発表と活発な議論が行なわれていたと感じました。実質的に1日(一日目昼から翌日昼まで)という短い日程ではありましたが、夕食後も活発な交流がもたれ、27時までディスカッションで盛り上がっていたところもあったようです。

来年は基生研の学生が運営を担当することになるこの合同セミナー、今年も含めたこれまでの経験を活かし、より良いものにしてゆければと思います。


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マナマコの放卵・放精を誘発する神経ホルモンを発見

九州大学吉国通庸教授、基礎生物学研究所大野薫助教、養殖研究所山野恵祐チーム長らの研究グループは、マナマコの放卵・放精(生殖行動)を誘発する神経ホルモン「クビフリン」を発見し、このホルモンを用いた産卵誘発法を開発しました。干しナマコは、中国において高級食材として流通しており、その消費の急拡大をうけて、国産のマナマコの水揚げと輸出量が急増しています。一方で、干しナマコの原料であるマナマコ資源の保護と育成が急務となっています。今回、吉国らが開発した方法を用いることで、稚ナマコの生産を効率的に行うことが出来るようになります。研究の詳細は、基礎生物学研究所プレスリリースをご覧下さい。

第二回 総研大ワークショップ開催

11月15日(土)〜16日(日)の日程で、総研大ワークショップが千葉県佐倉市の国立歴史民族博物館で開催されました。総研大ワークショップとは、在学生の交流と情報交換の場として、学生により企画・運営されているイベントです。日本歴史研究から宇宙観測まで文系理系問わず、全学の学生が集まって行われる研究紹介は、「専門外の人にどのように話せば自分の研究を伝えられるか」について学ぶコミュニケーション学習の場でもあります。基礎生物学専攻からは、4名の大学院生が参加しました。

GFPのノーベル化学賞受賞を記念して、基生研・生理研・分子研の学生の合作による「蛍光の理論から蛍光タンパク質の利用の実際まで」についてのポスター発表が行われ、見事にベストポスター賞に輝きました。(ポスター制作者:塚原さん@分子研、上條さん@生理研、為重さん@基生研、原さん@基生研、柴田さん@基生研)

ワークショップに参加した基礎生物学専攻D1の柴田美智太郎さんは「他専攻の同世代の学生から最新の研究について話を聴くことができ、非常にいい刺激を受けました。また、岡崎のメリットを活かした合作ポスターがポスター賞に選ばれたことは大変嬉しく思います。」と語っています。

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ERボディの形成機構を解明

高次細胞機構研究部門の山田健志助教および西村幹夫教授らは、京都大学大学院理学研究科の永野惇大学院生および西村いくこ教授と共同して、植物の小胞体から形成される細胞内小器官(オルガネラ)、ERボディの形成機構を明らかにしました。研究グループが発見した遺伝子NAI2は、ERボディ形成に必須であり、NAI2遺伝子が欠損すると、ERボディは全く形成されないことが明らかになりました。この研究成果は2008年9月9日、雑誌「The Plant Cell」に掲載されました。詳しくは基礎生物学研究所プレスリリースをご覧下さい。