特集
生物学研究で活躍する蛍光蛋白質


GFPの登場により、生物の体の中の様々な構造物を光らせて、生きたまま詳細な観察を行うことができるようになり、生物学研究は飛躍的に発展しました。この特集では、基礎生物学研究所の研究者が、蛍光タンパク質を活用して撮影した研究画像を紹介します。


シロイヌナズナ表皮細胞中の微小管
 

leaf_interphase_G2
(生物進化研究部門 村田隆准教授 提供)
細胞の中の”微小管”と呼ばれる糸状の構造物をGFPを用いて光らせて観察しています。



メダカの稚魚の生殖細胞

olvas-GFP-transgenics
(生殖遺伝学研究室 田中実准教授 提供)
オスなら精子、メスなら卵になる予定の細胞がGFPによって緑色に光って見えます。
生殖腺の形成過程や、性分化の研究に役立ちます。




メダカの稚魚の軟骨組織

sox9b-DsRed
(生殖遺伝学研究室 田中実准教授 提供)
赤色の蛍光タンパク質を用いて軟骨組織を観察しています。



マウスの発生過程 9.5日胚

MouseE9.5 head 10x
(時空間制御研究室 市川壮彦研究員 提供)
受精してから9.5日目のマウスの頭部です。神経管が出来つつあります。
細胞の核がGFPによって光り、つぶつぶとして見えています。




シロイヌナズナの細胞中の細胞小器官 ”ERボディ”

ER
(高次細胞機構研究部門 山田健志助教 提供)
発芽5日目の子葉(ふたば)の表皮細胞を観察しています。
糸状に見えるのが小胞体で、細長い粒状にみえるのがERボディ。



アフリカツメガエルのオタマジャクシ

Xenopus1
(形態形成研究部門 高木知世技術職員 提供)
細胞の中の核膜がGFPで光るようにしたオタマジャクシです。

拡大して観察すると・・・


アフリカツメガエルの細胞の中に見える核膜

Xenopus2
(形態形成研究部門 高木知世技術職員 提供)
細胞の中の核の形の変化を詳細に観察することができます。



アフリカツメガエルの神経管の細胞

Neural tube closure-00
(形態形成研究部門 鈴木誠助教 提供)
アフリカツメガエルの神経管が閉じてゆく様子を観察しています。
蛍光タンパク質を用いることで細胞の形や動きを詳しく観察することが出来ます。