基礎生物学研究所
Organizers | 浦和 博子 (岐阜聖徳学園大学) 亀井 保博 (基礎生物学研究所) |
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Venue | 基礎生物学研究所 | |
Date | Oct. 18-19, 2012 | |
「植物の環境感覚」の総合的理解のためには、外部刺激応答機構の分子レベルでの解析が重要となります。今回のトレーニングコースを主催した新学術領域「植物の環境感覚」では上記目標のための、細胞レベルでの遺伝子・タンパク質の解析技術を積極的に導入しています。今回のワークショップではそんな新しい技術の1つとして、細胞レベルで標的遺伝子の発現を高効率で誘導できるIR-LEGO法の実際と、その応用例を広く知って頂く機会になればと開催致しました。IR-LEGO法は赤外レーザーによる局所加熱により熱ショック誘導を単一細胞レベルで起こさせ、熱ショックプロモーター下流に組み込んだ標的遺伝子を発現させる手法です。初日には、本法の原理等の解説と、実習としてシロイヌナズナ実生の根における単一細胞での遺伝子発現誘導を、サンプルの調製法から実際の赤外レーザー照射までを行いました。そして翌日には発現の様子を顕微鏡観察し、単一細胞あるいは少数の細胞でのGFPの発現をライブ観察しました。その誘導効率の高さをご実感頂けたと思います。また、研究の応用に関してイメージして頂ければと、すでにこの技術を使用、あるいは応用しようとされている二人の研究者に最新のデータやアイデアをお話して頂くセミナーを開催しました。また、将来のライブイメージングに必須となるであろう新しい顕微鏡技術(補償光学)に関しても講演をして頂きました。最後に、本トレーニングコース開催にあたり、領域代表の長谷先生の研究室の方々には多方面のサポートをして頂きました。ここの場を借りて御礼申し上げます。今回のワークショップは、IR-LEGOを知って頂く機会にさせて頂きましたが、より具体的な研究のイメージを描いて頂ける機会となったのではないかと思っています。
(亀井 保博)
新学術領域研究「植物の環境感覚」第4回ワークショップ
IR-LEGOを用いた遺伝子発現誘導法
実習
IR-LEGOを用いたシロイヌナズナ実生の根における単一細胞での遺伝子発現誘導
浦和 博子 (岐阜聖徳学園大学)
亀井 保博 (基礎生物学研究所)
セミナー
「植物に温度センサーはあるか?-シロイズナズナとトウモロコシの温度応答から学ぶ-」
古本 強 (龍谷大学)
「植物過敏感反応(HR)の時空間的解析~IR-LEGOを用いたHR再構成系~」
別役 重之 (JSTさきがけ/東京大学)
「植物のライブ観察に向けた補償光学顕微鏡の開発」
玉田 洋介(基礎生物学研究所)
実習参加者 13名、スタッフ 6名
主催:新学術領域研究「植物の環境感覚」
共催:基礎生物学研究所