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研究報告

2014.02.18

マウス胚の体づくりを高精度で捉える観察手法を公開

市川壮彦研究員(現ピッツバーグ大学)、野中茂紀准教授を中心とする研究グループは、光シート顕微鏡を用いて発生中のマウス胚を高時間解像度で長時間観察する手法を公開しました。この内容は「Nature Protocols」誌電子版に2014年2月13日掲載されました。

 

光シート顕微鏡とは、立体的な生物試料の観察に適した顕微鏡で、この目的のために現在広く使われている共焦点顕微鏡に比べ、光照射による試料へのダメージが少ない、内部までよく見える、高速で観察できる、といった利点を持っており、ここ数年注目を集めています。

 

しかしこの顕微鏡でマウス胚を培養しながら観察することはこれまで技術的な問題があり不可能でした。研究グループはこの問題を解決し、長時間にわたって培養しながら観察することに成功しました。また、細胞核を光らせた胚を経時観察したデータから細胞の位置を半自動的に追跡するプログラムを開発し、胚の中での細胞移動の様子を明らかにしました。

 

経時観察した胚の光学断面像(動画)

 

この解析結果は米国科学雑誌「PLoS One」2013年7月8日号にて報告されていますが、実験手法としての重要性を認められ、詳しい実験手順をまとめた論文がNature Protocols誌に掲載されたものです。

 

[論文情報]

Nature Protocols電子版にて2014年2月13日公開

論文タイトル:Live imaging and quantitative analysis of gastrulation in mouse embryos using light-sheet microscopy and 3D tracking tools

著者:Takehiko Ichikawa, Kenichi Nakazato, Philipp J. Keller, Hiroko Kajiura-Kobayashi, Ernst H.K. Stelzer, Atsushi Mochizuki, Shigenori Nonaka

 

PLoS One誌への発表内容はこちら

https://www.nibb.ac.jp/press/2013/07/16.html

 

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野中茂紀准教授と市川壮彦研究員