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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

国際連携

EMBL - 連携活動

EMBL PhD Symposium2015への大学院生の参加

Venue EMBL Heidelberg, Germany
Date Oct. 22-24, 2015

 EMBL, ATCホール。Ph.D. Symposiumの会場。吹き抜けの周りをヘリックス状の通路が囲み、所々、へリックス間を結ぶ橋がかかる。二重らせんと塩基対。

Ph.D. Symposiumは、欧州のみならず世界の様々な地域から学生が集まっており、国際色豊かなシンポジウムだった。EMBL Ph.D. program 2年目の学生たちで、これほどのものを主催しているということに驚かされると同時に刺激を受けた。

 今年のテーマは”Just by Chance?”。発生、進化から構造、バイオインフォマティクスに至るまで盛りだくさんの内容だった。自分にとってunfamiliarな内容を英語でフォローするのは非常に難しく、多くのエネルギーをつぎ込んでも十分な理解には程遠かった。しかし、ウェットな実験生物学とドライな情報・数理科学とが融合して進んでいく現在の生物学の流れを凝縮したようなプログラムで興味深かった。

 トークとトークの間には頻繁にコーヒーブレイクがあり、参加者同士のコミュニケーションが活発に行われていた。その輪に入ろうと試みたものの、簡単な会話をするのが精一杯で、あまりブレイクにはならなかった。

 シンポジウムではポスター発表を行った。テーマの”Just by Chance?”にマッチしているとは言い難かったが、予想以上に多くの人が聞きに来てくれた。英語であることに最初は緊張したが、サイエンティフィックな話となると、食事中などの他愛もない会話よりも“通じ合っている”ことを感じ、楽しい時間を過ごすことができた。

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 EMBL, 研究棟。スタイリッシュな雰囲気のエントランス。その先にラボへ続く階段。整理整頓された廊下が続くが、構造はまるで迷路のよう。洗練された美しいラビリンス。

 ラボ訪問では、ショウジョウバエの胚における局所的翻訳の研究を行っているDr. Anne Ephrussiのラボを訪れた。まず、ラボメンバーの前で40分程度の研究紹介を行い、その後、数人のスタッフ、ポスドクの方々から個々に研究の話を聞かせていただいた。普段、基生研ラボ内でのプログレスは英語で行っているため、英語で研究内容を発表することは初めてではなかったが、その時とは異なる緊張感があった。質問を色々としていただき嬉しかったが、リスニング能力が追い付かず、何度も聞き返したりゆっくりと話してもらったりして、なんとか発表を終えた。その後の個別の時間でも、英語力の足りなさを痛感しつつ、図を書いたりして視覚的なコミュニケーションを試みた。反省点ばかりだが、度胸をつけるという意味も含めて意義があったと思う。研究内容に関して貴重なアドバイスを頂いたので、今後に生かしていきたい。

 帰国前日には、EMBLで画像解析のコーディネーターを行っている三浦博士のオフィスを訪問させていただいた。三浦博士は長年ドイツにいらっしゃる方で、日本と欧州の分子生物学の捉え方の違いなどを聞かせていただき、有意義な時間となった。

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 今回のEMBL滞在を通して強く思ったこと――研究者としてサバイバルする力をつけよう。日本にいる時も日頃から思っていることだが、EMBLで1週間過ごすことでもっと切実に、危機感ともいえるくらいの感覚で心に刻まれた。

 最後に、今回の派遣をサポートしてくださった基生研、EMBLの方々に深く御礼申し上げます。

 

10月22日-24日:EMBL Ph.D. Symposium参加

10月26日:Dr. Anne Ephrussi Group ラボ訪問

10月27日:Dr. Kota Miura Office 訪問

基礎生物学研究所 神経細胞生物学研究室

大橋りえ(総合研究大学院大学 大学院生)

 

 

 

The theme of the EMBL PhD student symposium 2015 was “Just by chance?” and the aim was “to explore the importance of randomness and variability in biology”; I realized that applying bioinformatics to biology research should be highlighted and it was a useful hint for me. The symposium attracted mostly early-stage PhD students and high-profile speakers spanning all continents with diverse backgrounds. The symposium program had been formulated with several lectures, short talks and a poster session. At the end of each day, we had a blackboard session and a panel discussion. At the blackboard discussions we could choose our topic of interest and sit down with speakers in a small group to share insights from their most recent research. This time was a great opportunity.  Moreover, I was able to strengthen my network of connections with other scientists. After a three day tight schedule, I had a weekend to tour Heidelberg city. I passed through many historic treasures including Heidelberg’s Schloss (castle) and the Neckar River’s autumn colors absolutely invigorated me.
The second part of my program was a one week training course at the EMBL GeneCore facility headed by Dr. Vladimir Benes. I practiced a protocol provided by Dr. Bernd Klaus -a step by step method- using statistical bioinformatics to analysis high-throughput sequencing data such as DNA-Seq or RNA-Seq. I was supported technically by highly qualified staff in Dr. Benes’ group. The atmosphere of his lab was very relaxed and friendly. I am looking forward to having an opportunity again in the near future to visit EMBL.
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22-24, October Ph.D. Symposium

25, October-2, November Dr. Benes’ Lab

Division of Environmental Photobiology, NIBB

Yousef Yari Kamrani (SOKENDAI)