基礎生物学研究所
Venue | ゲッチンゲン、ドイツ |
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Date | May. 6-9, 2015 |
基生研の国際連携事業により参加費をサポートされ、EMBOワークショップに参加させていただいたので、報告します。
5月6日から9日にゲッチンゲンの歴史図書館でEMBO Workshop “Embryonic-Extraembryonic Interfaces: Emphasis on Molecular Control of Embryonic Development in Amniotes ” が開催された。
このワークショップは、2011年5月にベルギーにおいて開催されたEMBO workshop Lineage Commitments: Emphasis on Extraembryonic-Embryonic Interfaces”を継続する形で行われた2度目のミーティングである。前回の会議で会った研究者の内何名かは61st NIBB conferenceにも招聘することにつながった。今回の参加者はinvitedとポスター発表を含めて100名弱であり、コンパクトでありながら学問領域の専門家が多く集まり、密な会議であった。発表者の3分の1程度は前回の会議にも参加していた人達であり、この会への期待が大きかったことがうかがえる。私自身も前回の会議に参加し口頭発表する機会を得た。今回は特に、着床前マウス胚についての先駆者でもある、Richard Gardner博士が会に参加することを事前に知った。是非とも参加して会ってみたいと考えており、それが実現された。会においてはほ乳類だけではなく、爬虫類や鳥類の胚体外組織と胚との関係に関する発表からヒトの発生についての発表まであった。比較形態学的な側面もあったが、胚発生に必要な胚体外の組織などについての広い視点での発表が多く、有意義な会であった。今後の研究を発展させるための研究方針に関わる情報だけでなく、共同研究の可能性についても何名かの研究者と議論することができた。
最後の総合討論においては、今後の研究領域の発展の可能性についても議論され、継続的に類似のミーティングが開催されるべきであるという結論も得られた。
ゲッチンゲンは古い大学街であり、戦禍からも逃れられたことから歴史的な町並みが保存されており、会場となった建物は歴史的な図書館として機能していた建物である。また、駅の近くにはCarl-Zeissの光学顕微鏡工場もあり、エクスカーションでは工場見学をすることができた。以前見学したオリンパスの伊那工場との類似性や相違性もみることができ印象深かった。
初期発生研究部門・藤森俊彦