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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

共同利用研究

トレーニングコース - 開催リスト

生物画像データ解析トレーニングコース 2013

Organizers 安永卓生(九州工業大学)
塚田祐基(名古屋大学)
木森義隆、加藤輝(新分野創成センターイメージングサイエンス分野)
亀井保博、野中茂紀、村田隆、小山宏史(基礎生物学研究所)
Venue 基礎生物学研究所
Date Oct. 16-18, 2013
Link ウェブサイト (http://www.nibb.ac.jp/bioimage_course2013/)

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受講者数
22名

開催報告
 新分野創成センター イメージングサイエンス研究分野と基礎生物学研究所の主催で、12/16-18 の 2 日間、「生物画像解析トレーニングコース」として、ImageJ を用いた比較的初心者向けの画像処理・解析の講義・実習を初めて開講しました。
 近年、顕微鏡やカメラの性能向上に伴い、多次元かつ大容量の画像データが得られるようになってきています。しかし、物理学や工学をバックグラウンドとしない多くの生物学研究者には、しばしば顕微鏡の原理やデジタル画像処理に関する素養、自動化に関する知識が欠けており、このことが画像を用いた解析の妨げになっている場合があります。また、生物学研究者と画像研究者との共同研究も近年盛んですが、画像研究者側は自身の研究テーマとして「新しい画像解析手法の開発」に興味があるのに対し、生物学研究者側は生物学的問題の解決を目的としており、必ずしも最先端の技術を必要としていないため、利害のミスマッチがしばしば問題になります。
 そこで、本トレーニングコースでは、実際に顕微鏡等の画像を扱っている、しかしその処理・解析については比較的初心者である方々を対象に、「自分でやるべきことは自分でできるようになる」「難しいことは専門家に投げることができるよう、話ができる程度に基礎知識を得る」ことを目指しました。
 
 具体的には、
・ 現在、顕微鏡を使い画像を撮っているが、適切かどうか自信がない
・ 画像の解析・定量を行っているが、適切かどうか自信がない
・ 画像の解析・定量やファイル操作を手でやっているが煩雑なため自動化したい
・ 周りによい相談相手がいない
というような方に役立つコースを目指し、22 名の受講定員に対し 48 名の応募があり、”必要性の高さ”を基準として受講者の選考が行われました。

 「受講者の抱えている課題について皆で議論」のセッションでは熱い議論が戦わされました。事後のアンケートによれば、難しくて理解できなかったという意見もある一方、全体としては十分に満足、ある程度満足という感想に占められ、概ね好評を得られたと思います。
オーガナイザー 野中 茂紀(時空間制御研究室)
 
Program

10月16日(水)

12:00 – 13:00 受付(基生研正面玄関にて)

13:00 – 13:30 0. はじめに(野中)

•講習のねらいについて説明、講師陣の紹介。

13:30 – 14:30 1. クイックスタート(野中・木森)

•1-1 いくつかの実例を使い実際にImageJで処理をしてみる。
•1-2 ImageJの基本的機能ではカバーできないこと、について。

(14:30 – 14:50 コーヒーブレイク)

14:50 – 16:20 2. 画像処理・解析の基礎 講義(安永)

•ノイズ、コントラスト、分解能の意味
•画像の基礎(フーリエ変換と畳み込み演算、カーネルの畳み込みの意味)
•偽解像(エイリアス、モアレパターン)への注意
•前処理の基礎(カーネル処理(線形)、非線形フィルタ(メジアン、バイラテラル))
•広視野と高分解能(パノラマ)
•定量化(2値化(自動閾値(大津の方法))、ラベリング、面積、数などの決定)
•画像処理ソフトの紹介:ImageJ, Eosの紹介

(16:20 – 16:30 コーヒーブレイク)

16:30 – 18:00 3. 画像処理・解析の基礎 実習(木森)

•先の実習内容を受けて、自分で手を動かして理解する。

18:00 – 4. 受講者の自己紹介、懇親会 於基生研1F会議室(変更しました)

10月17日(木)

9:00 – 12:00 5. ImageJマクロ講義・実習(野中)

•マクロの使い方、書き方について簡単な講義と実習を行う。

(12:00 – 13:00 昼休み)

13:00 – 17:00 6. 画像の定量化について 講義・実習(木森・加藤・小山)

•実際の画像を使って定量をやってみる、今のところ以下を予定。
•6-1 Intensityの定量
•6-2 動きの定量
•6-3 数の定量
•6-4 形の定量
•6-5 画像の特性(模様など)の定量

17:00 – 18:00 7. 講演会(塚田)

•「動画像解析によるダイナミックな生命現象の記述と情報抽出」

18:00 – 8. 自由討論会


10月18日(金)

9:00 – 10:30 9. 講義「画像解析のための顕微鏡の基礎知識」(村田)

•画像を処理するより前、顕微鏡画像取得の時点で気をつけねばならないことについて講義

10:30 – 12:00 10. 受講者の抱えている課題について皆で議論

12:00 終了、解散