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2007.07.27

細胞増殖因子シグナルによる細胞接着制御の一端が明らかに(形態形成部門)

形態形成研究部門の上野直人教授らはカリフォルニア大学アーバイン校 Ken Cho教授らとの共同研究でTGF-bファミリーのノーダルが細胞接着を負に制御することを明らかにしました。


共同研究グループは形態形成研究部門が収集したcDNAを高密度に配列させたマイクロアレイを用いてノーダルおよびアクチビンで誘導される遺伝子を網羅的にスクリーニン グし、FLRT3遺伝子を標的遺伝子のひとつとして同定した。
FLRT3タンパク質をアフリカツメガエル初期胚に過剰発現することによって細胞は解離し、アンチセンスモルフォリノオリゴヌクレオチドでその機能を阻害することによって細胞間接着は促進された。また、細胞の運動は著しく抑制されたことにより、原腸形成の阻害が見られた。初期胚細胞におけるカドヘリンの動態を解析したところ、FLRT3を介したノーダルシグナルによって、細胞表面に多いカドヘリンは細胞内に移動していることが判明した。これらのことからFLRT3はノーダルシグナルを受け、細胞表面のカドヘリン量を調節して細胞運動を正に制御していることがわかった。この研究によって、細胞増殖因子シグナルによる細胞接着制御の一端が明らかになった。

Genes Dev. 2007 Jul 15;21(14):1817-31.
TGF-beta signaling-mediated morphogenesis: modulation of cell
adhesion via cadherin endocytosis.

Ogata S, Morokuma J, Hayata T, Kolle G, Niehrs C, Ueno N, Cho KW.