基礎生物学研究所
2002.03.29
統合バイオサイエンスセンター・生命環境II・塚谷グループによる葉の形態形成遺伝子・ANのクローニングに関する論文が、EMBO J.に掲載され、このほど、その発見についてScienceに紹介記事が載りました(Science vol295: 2327)。掲載はEditor's Choiceの欄です。
ANは、動物界でさまざまな発生過程の調節を行っているCtBPファミリーに近縁なタンパク質をコードしており、その遺伝子の変異は、葉の形に重大な影響を与えます。つまり、葉の細胞内の微小管の配向が変化し、極性伸長が大きく変更されることで、葉幅が細くなります。他の器官には、そういった異常は生じません。そのことから、ScienceのEditor's Choiceの欄では「このような分化時特異的な微小管配向制御は、他の系における形態形成過程についても一つのパラダイムを与えるかも知れない」と結んでいます。
EMBO J.21.1297;1280(2002)
Science VOL295: 2327