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2005.04.25

岡田研究室(種形成研究部門)でカワスズメ科魚類の桿体視物質の遺伝的な進化機構を解明

岡田研究室(種形成部門)でカワスズメ科魚類の桿体視物質の適応的な進化における遺伝的な機構を解明

進化の過程において、離れた系統の間で似た形質が現れる現象がしばしば見られますが、その遺伝的な機構は、ほとんど明らかになっていません。本研究では、カワスズメ科魚類種間でRH1蛋白質遺伝子の配列比較、 in vitroで再構築した桿体視物質の波長感受性比較、及び種間の系統関係の解析をおこないました。結果、湖の深層の環境に適応している系統的に離れた種それぞれにおいて、独立に、RH1蛋白質遺伝子に同じ塩基置換が起こっており、それが原因で、桿体視物質の波長感受性が、短波長シフトしていることが明らかになりました。カワスズメ科魚類の桿体視物質の適応進化において現れる短波長シフトという共通の形質には、同じ遺伝的な機構が関係している、つまり、平行進化である可能性が高いことが明らかになりました。

この結果は下記の論文に発表されています。
Tohru Sugawara, Yohey Terai, Hiroo Imai, George F. Turner, Stephan Koblmuller, Christian Sturmbauer,Yoshinori Shichida, and Norihiro Okada
Parallelism of amino acid changes at the RH1 affecting spectral sensitivity among deep-water cichlids from Lakes Tanganyika and Malawi.
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102, 5448-5453 (2005)