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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

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お知らせ

2002.04.01

勝木所長年度始めご挨拶

ようこそ基生研へ
 本日は、基礎生物学研究所に着任された方々に、基礎生物学研究所(基生研と呼びます)の紹介をかねて、ご挨拶を申し上げます。
 基礎生物学研究所は、1977年(昭和52年)に創設された、文部科学省管轄の大学共同利用機関の一つです。昭和56年には、分子科学研究所(分子研)と生理学研究所(生理研)とを併せた3研究所で、岡崎国立共同研究機構(岡機構)が創設され、現在に至っています。たまたま岡崎の地に出来た3つの基礎学問を研究する機関が、それぞれの独自性を維持(自治)しながら、事務能率の向上や共通施設の設置など、協力して、我が国の大学に資する目的の活動を行っています。大学の学部のようなつながりではなく、3つの単科大学の連合体のようなものです。それは、それぞれの研究所は、それぞれの支持母体である大学を中心とする研究者コミュニティを持ち、その代表者である外部委員と、研究所の内部委員との、およそ半数ずつの委員で構成される運営協議員会が、人事選考を行っており、また重要事項を審議していますから、それぞれの学問領域を代表する研究所ともいえるのです。
 そのような使命を与えられて誕生した基生研は、個別の大学では出来ないような、様々な共同研究を行ったり、国際会議を行ったり、手伝ったりしています。また先導的な学問分野に果敢に挑戦し、引用文献数の高い論文を出し続けているのは、大いに誇れることでありますし、当然のことと期待されてもいることです。
 さて、それでは、基生研に来られた方々に何を期待するかを述べましょう。
 それぞれの立場や、成長の段階によって、教授を中心とする研究活動への貢献の質が異なるのは当然のことです。研究の支援や、事務の仕事も、研究活動に直結していますから、どんな方々も、属する研究室や研究所のことをよく理解することが要求されます。教授や助教授や、教室に長くいる先任の人たちから、よく指導を受け、成長をキーワードとして活動してください。その成長を判断するのは、謙虚と寛容のもとで、先輩の所見に任せてはどうでしょうか。そして誇りを持ってください。
 生物学は、速さを競う学問ではありません。深く落ち着いて考え、静かに観察し、考えを巡らせ、想像力を働かせて、実験し、ものの見方を創造的に作り上げる科学です。
 そして、挨拶を忘れないでください。「おはよう、こんにちは、ありがとう、ごめんなさい」など簡単なことを忘れないでください。
 元気で溌剌とした、自由闊達な空間を、一緒に作りましょう。

平成14年4月8日
岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 所長 勝木元也