フィールド

トウカイタンポポ(Taraxacum longeappendiculatum Nakai)2000/03/31

よく子供向けの図鑑では、花を包んでいる「萼のようなもの」(花序を包んでいる総苞片のこと)が反り返っているのが「セイヨウタンポポ」、反り返らないのが「日本タンポポ」と書いてある。正確には、セイヨウタンポポや日本タンポポは、複数の種の総称であって、種名ではない。岡崎市内では至る所で、写真のトウカイタンポポ(ヒロハタンポポ)を見ることができる。これも日本自生のタンポポで、写真のように、総苞片の先端に大きな突起を持つのが特徴である。関東地方では、カントウタンポポを見ることができるところは、非常に限られつつあるが、トウカイタンポポは名古屋市内の真ん中でもかなり容易に目にすることができる。ただ、詳細な研究によると、多くのトウカイタンポポは、実は、既にセイヨウタンポポと交雑してしまった雑種や、その子孫であるようだ。2000年3月撮影。

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コンテンツ

  1. 岡崎の植物(53)
  2. 植物学者 塚谷裕一の調査旅行記(9)
著者紹介
塚谷 裕一
東京大学大学院理学系研究科 教授
元 基礎生物学研究所 客員教授
塚谷 裕一

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