基礎生物学研究所 神経行動学研究部門の城倉 圭 研究員が「有櫛動物クシクラゲを用いた細胞生物学及び生理学的研究」の功績により2025年度日本動物学会奨励賞を受賞しました。
2025年9月4日に名古屋で開催された日本動物学会第96回名古屋大会にて受賞式が行われ、受賞記念講演を行いました。
受賞コメント:
このたび、日本動物学会奨励賞を受賞し、大変光栄に思います。虹色に輝きながら漂うクシクラゲの洗練された動きに惹かれ、大学院の頃から今日に至るまで研究を続けてきました。櫛板の繊毛をまとめる仕組みを担う新規タンパク質の発見、平衡器官の全細胞トレースと神経回路マップの構築、さらには2個体が1個体のように振る舞う融合現象など、予想もしなかった成果を得ることができました。こうした研究は、指導してくださった先生方をはじめ、共同研究者の皆さま、日々の飼育を支えてくださった技術支援員や水族館の方々の協力により成し得たものです。今後も興味に導かれるまま、クシクラゲを通じて「動物がどのようにして動きを獲得し、進化の中で複雑な行動を生み出してきたのか」という根本的な問いに挑み続けたいと考えています。
城倉 圭