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2009.12.14

高次細胞機構研究部門が編集を担当した植物生理学会誌50周年記念特集12月号が公開されます

 

Plant and Cell Physiology(PCP)誌は日本植物生理学会が発行する国際誌です。今年、発刊50年を迎え、日本の植物生理学が得意とする分野の論文を集めた特集号を企画しています。
 12月号では、基礎生物学研究所の林准教授と西村教授の編集でFrontiers of Research on Organelle Differentiation(オルガネラ分化研究の最前線)という特集を組んでいます。これは、基礎生物学研究所の西村教授が領域代表を務め、昨年度まで続いた特定領域研究「植物の環境適応戦略としてのオルガネラ分化」の研究によって得られた成果の集大成とも言えるもので、以下の1編の総説と6編のオリジナル論文を掲載しています。特定領域研究「植物の環境適応戦略としてのオルガネラ分化」の詳しい内容については、https://www.nibb.ac.jp/organelles/をご参照ください。

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巻頭言)Hayashi and Nishimura
Frontiers of research on organelle differentiation
(オルガネラ分化研究の最前線)

総説1)Mano, Miwa, Nishikawa, Mimura and Nishimura
Seeing is believing: On the use of image databases for visually exploring plant organelle dynamics
(見ることは信じること:植物オルガネラのダイナミクスを視覚的に探るためのイメージデータベースの利用)

論文1)Nagano, Maekawa, Nakano, Miyahara, Higaki, Kutsuna, Hasezawa and Hara-Nishimura
Quantitative analysis of ER body morphology in an Arabidopsis mutant
(シロイヌナズナ変異体におけるERボディ形態の定量解析)

論文2)Hamaji, Nagira, Yoshida, Ohnishi, Oda, Uemura, Goh, Sato, Terao-Morita, Tasaka, Hasezawa, Nakano, Hara-Nishimura, Maeshima, Fukaki and Mimura
Dynamic aspects of ion accumulation by vesicle traffic under salt stress in Arabidopsis
(シロイヌナズナにおける塩ストレス下の輸送小胞によるイオン蓄積の動態)

論文3)Kamigaki, Kondo, Mano, Hayashi and Nishimura
Suppression of peroxisome biogenesis factor 10 reduces cuticular wax accumulation by disrupting the ER network in Arabidopsis thaliana
(ペルオキシソーム形成因子PEX10が抑制されたシロイヌナズナは小胞体ネットワークの分断によってクチクラワックスの蓄積が減少する)

論文4)Homi, Takechi, Tanidokoro, Sato, Takio and Takano
The peptidoglycan biosynthesis genes, MurA and MraY, are related to chloroplast division in moss Physcomitrella patens.
(ヒメツリガネゴケのペプチドグリカン合成系遺伝子であるMurAMraYは葉緑体の分裂に関与する)

論文5)Niihama, Takemoto, Hashiguchi, Tasaka and Terao Morita
ZIP genes encode proteins involved in membrane trafficking of theTGN-PVC/vacuoles
(重力屈性を制御するZIP遺伝子はTGN-PVC/液胞の膜輸送に関与する)

論文6)Sakamoto, Uno, Zhang, Miura, Kato and Sodmergen
Arrested differentiation of proplastids into chloroplasts in variegated leaves characterized by plastid ultrastructure and nucleoid morphology
(プラスチドの構造と核様体の形態によって特徴づけられる斑入り葉のプロプラスチドから葉緑体への分化停止)
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このニュースは、オックスフォードプレスからプレスリリースされました。以下は、プレスリリースからの抜粋です。
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今回、PCP12号では、「オルガネラ分化」に関する最新の研究論文を特集しました。
「植物細胞の内部には、葉緑体をはじめ、液胞、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、ペルオキシソームなど、さまざまなオルガネラ(細胞小器官)が存在しています。細胞の生命活動は、これらのオルガネラが固有の機能を果たしながら互いに協調して働くことで効率的に維持管理されています。植物は芽生えた場所から移動できません。そのため、光や温度などあらゆる環境変化に即座に順応する必要があります。最近の研究から、植物は、環境変化から身を守るために、オルガネラの機能をダイナミックに変化させていることが分かってきました。今回の特集号では、植物オルガネラの分化に着目した最先端の研究成果を掲載しています。このような植物オルガネラ研究の成果が、21世紀が抱える環境やエネルギー、食糧などの問題を植物を用いて解決するための糸口を切り開くことを期待しています。」(基礎生物学研究所・林 誠)
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Plant and Cell Physiology