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2004.09.07

平成16年度文部科学省科学研究費補助金「特定領域研究」に細胞機構研究部門・西村教授と細胞分化研究部門・諸橋教授を研究代表者とする2課題が採択されました

基礎生物学研究所の教官を代表者とする「特定領域研究」(平成16年度発足)として以下の2課題が採択され研究を開始しました。各研究領域の課題は以下の通りです。

■細胞機構研究部門 西村教授
テーマ:「植物の環境適応戦略としてのオルガネラ分化」
特定領域研究ホームページ:https://www.nibb.ac.jp/organelles/
概略:
植物は細胞内のオルガネラを柔軟に変化させることによって環境変化に適応している。こうしたオルガネラ分化の柔軟性は、オルガネラの相互作用を通して植物の環境適応能を形成し、植物という生命体の環境適応に固有の特徴を与えている。植物の環境適応戦略を理解する上で、従来の静的な解析によって形成されたオルガネラ観とは異なった動的な植物オルガネラの理解が急務である。本特定領域研究では、植物オルガネラの分化、誘導、相互作用を基盤として、植物個体の示す精緻な環境適応メカニズムの解明をめざす。研究のアプローチとしては、特徴あるポストゲノム解析を駆使するとともに、分子遺伝学的な研究を重視していくことで、国際的に競争し、世界をリードする研究を推進する。


■細胞分化研究部門 諸橋教授
テーマ:「性分化機構の解明」
特定領域研究ホームページ:https://www.nibb.ac.jp/seibunka/index.html
概略:
生物は二つの性(雄と雌)を獲得することで,有性生殖を確立した。この生殖のプロセスは,次世代に遺伝情報を受け継ぐことで種の存続を可能にしたばかりでなく,遺伝的多様性を生み出す原動力となった。従って,雌雄の分化こそが地球上の多様な種の繁栄を可能にした基本原理であり,性の分化は極めて重要な研究対象である。一般に、個体の性分化は生殖腺の性決定に始まり、次いで雌雄生殖腺で産生される性ホルモンの作用を通じ、脳を含む体全体へと広がる。この性分化の過程は動物種間における多様性、および雄性化シグナルと雌性化シグナルのバランスの上に成り立つ可塑性を特徴とする。また一方で,このような古典的概念にとらわれない新たな視点、すなわち細胞自律的な性の確立の重要性も指摘されている。本領域研究においてはこのような特徴に着目することで、性分化の包括的理解を通じ、その普遍的分子メカニズムの解明を目指す。


今後各研究領域で公募を行います。時期等詳細は各ホームページをご覧ください。