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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

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共同利用研究

トレーニングコース - 開催リスト

イベリアトゲイモリを用いた遺伝子発現イメージングの基礎技術 〜簡便なHCR法の技術講習会〜

Venue 基礎生物学研究所 (オンサイトのみ)地階バイオサイエンストレーニングコース実験室(B07-B09)
Date Mar. 11-13, 2026
Link ウェブサイト (https://sites.google.com/nibb.ac.jp/iberian-ribbed-newt-training/home)
両生類であるイモリは極めて強い再生能力をもち、四肢や尾をはじめ、網膜や水晶体、さらには脳や心臓に至るまで、さまざまな身体部位を再生できます。加えて、ヒトの8倍以上という大きなゲノムサイズをもち、がんになりにくい性質や、フェロモンを介した求愛行動を示すなど、ユニークな生物学的特徴を併せ持っています。

我々は、繁殖が容易なイベリアトゲイモリを導入することでイモリのモデル生物化を目指し、近交系統の樹立、効率的なゲノム編集法の確立、遺伝情報の整備を進めてきました。これにより、イベリアトゲイモリの研究利用は着実に広がりつつあります。一方、本種を含むイモリ類では、in situ hybridization 法に代表される遺伝子産物の可視化技術が未確立でした。しかし、近年発展が著しい Hybridization Chain Reaction(HCR)法を導入することで、mRNA を高感度に検出することが可能になりました。

そこで本コースでは、イベリアトゲイモリを対象とした HCR 法の実習に加え、HCR 法の開発者である恒岡博士を含む複数の研究者とのワークショップ形式の議論を通じて、mRNA の検出から撮影まで、HCR 法のさらなる改善を図ります。

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バイオサイエンス実習室でのHCR実習の様子。指導しているのは左:林利憲先生(広島大)と右:常岡洋右先生(東邦大)

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受講生・講師・TAの集合写真

【受講者数】
受講者総数  16名(応募者 24名)

【開催報告】
オーガナイザー 亀井 保博 
(基礎生物学研究所 バイオイメージング解析室)

2026年3月11日〜3月13日の3日間で「イベリアトゲイモリを用いた遺伝子発現イメージングの基礎技術」としてHCR法の簡便な技術を開発した東邦大学の常岡先生をお迎えして技術講習会を実施した。参加者はイベリアトゲイモリを活用する研究者から広く募ったが、結果的にはメダカやマウスのモデル生物種を使う研究者からも含めて24名の応募があり、本法への関心が高いことが分かった。当初10名を定員としていたが、応募多数ということもあり選考して16名を受講生として迎えた。内訳は、学部生2名、修士院生4名、博士院生2名、助教・講師クラス5名、教授・准教授クラス3名でした。専門は、発生生物学、再生生物学、神経科学なと多岐に渡り、研究で使用する生物種もイベリアトゲイモリ以外に、メダカ、ゼブラフィッシュ、マウス、アフリカツメガエル、ヒルと多岐に渡った。初日には実習として切片の前処理~ハイブリダイゼイションを各自実施し、さらに、開発者の恒岡先生の講演(所内にも公開セミナーとして聴講募集)と、阿形先生の講演があった。夜には情報交換会を実施し、受講生の自己紹介を含めた交流を行った。2日目には洗浄・増幅・封入の実習と、イベリアトゲイモリの関連技術のワークショップを実施した。最終日には共焦点レーザー顕微鏡など4台を使った各自のサンプルの観察・記録を行い、結果の議論を行った。

アンケート結果から、おおむね好評で、HCR法の簡便性と第一線の研究者による講演が高く評価され、多くの参加者が自ラボでの即時導入に意欲を示す結果となった。また、成功例だけでなく「失敗例(うまくいかなかったケース)」の情報共有の希望や、イベリアトゲイモリに限らず、他生物種でのホールマウントプロトコルを相互に共有・参照できる仕組みへの期待が示された。

今回、イベリアトゲイモリユーザーを想定して企画だったが、他の生物種のユーザーも多く、本法の汎用性の高さと簡便さに期待が大きいことが分かり、一方で、交流会では「他分野の研究者や講師とフランクに議論できた」とのポジティブな意見が多数あり、技術習得のみならず、様々な分野の様々な生物種を使っている研究者間のコミュニティ形成の場として重要な役割を果せたと感じた。


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Program
1日目(3月11日水曜日)
オリエンテーション(林)
講演1:恒岡 洋右(東邦大学)
「ISHpaletteを使ったシングルコピーmRNA検出入門:低コスト・スキマ時間で始めるFISH」
実習(切片作製・固定・ハイブリダイゼーション)
ワークショップ1:プローブの設計・作製(林)
講演2:阿形 清和(基礎生物学研究所)
「イベリアトゲイモリを新規モデル生物として使ってどんな新しい発見があったのか!?」
 
2日目(3月12日木曜日)
ワークショップ2:Whole-mount in situ hybridizationに関する情報(福井・松原・戸澤)
ワークショップ3:トランスクリプトーム情報の利用方法(佐藤勇・松波)
講演3:佐藤 伸(岡山大学)
「有尾両生類の再生と皮膚研究」
実習(洗浄・Amplify・封入)
ワークショップ4:シグナルの正しい撮影法(亀井)
ワークショップ5:染色体FISHの可能性:(宇野)  

3日目(3月13日金曜日)
実習(観察)蛍光顕微鏡あるいは共焦点顕微鏡による撮影
結果の解説(林)
クロージング(福井)
所内施設見学