基礎生物学研究所
Organizers | 代表:加藤輝(ExCELLS/NIBB) 小山宏史、村田隆、 亀井保博(NIBB) 野中茂紀(ExCELLS/NIBB) |
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Venue | 基礎生物学研究所 | |
Date | Dec. 4-6, 2018 | |
近年,顕微鏡やカメラの性能向上に伴い,多次元かつ大容量の画像データが得られるようになってきていますが,多くの生物学研究者にとって画像解析は難しい技法のひとつであると見做されている傾向があります.これは,顕微鏡の原理ならびに基礎的な画像工学に触れることでその障壁を引き下げることが可能となります.
また,生物学研究者と画像工学研究者との共同研究も近年盛んですが,画像工学研究者側は自身の研究テーマとして「新しい画像解析技法の開発」に関心を払うのに対し,生物学研究者側は生物学的問題の解決を目的とし,技術の先進性を必ずしも要求しない点において,両者の目的が相反することがしばしば見受けられます.
そこで,本トレーニングコースでは,実際に顕微鏡等の画像を扱っているが,その処理・解析については比較的初心者である生物学系の研究者の方々を対象に,「簡易な画像処理・解析は自分で遂行できるようになる」「技術的に高度な問題について専門家に適切な相談ができる基礎を体得する」ことを目指します.
受講者数
17名
開催報告
生命創成探究センター(ExCELLS)、基礎生物学研究所、ならびに新学術領域研究「学術研究支援基盤形成」先端バイオイメージング支援プラットフォーム(ABiS)の共催により、「生物画像解析トレーニングコース 2018」を12月4日〜6日 に開催しました。本コースは、顕微観察画像の取り扱いについて比較的初心者である生物系の研究者を対象に、画像処理・解析に関し「簡単な問題は自分で解決できる」あるいは「技術的に高度な課題についてはその道の専門家と生産的な議論ができる」ための基盤を習得することを目標に定めています。第 5 回目の開催となった本年度開催分では、16 名の定員に対し 40 名の応募があり、本コースが設定する学習機会にたいする需要の高さを窺わせるものとなりました。
本コースでは、解析に用いる画像を取得する際に留意すべき点をはじめ、画像処理・解析の基礎に至る一連の過程についての講義を行いました。さらに、生物画像処理・解析のための代表的なソフトウェアの一つである ImageJ と教材を予めインストールした PC を参加者全員に貸与し、ImageJ の基本操作、画像処理・解析について実習を行いました。また、これらの作業を ImageJ マクロプログラムとして記述、自動化することで、近年の顕微観察画像の多次元化・大容量化に対応できるプログラミング技法についての講義と実習を行いました。
コースの締め括りとして、各々の受講者が実際に取り組んでいる研究テーマの画像について講師による解析例を示し、解説と議論を行いました。
例年、参加者の方々から「たいへん」、「かなり疲れた」とご好評を頂いている内容ですが、画像解析技術をより身近なものとする上で一定の効果はあったと思われます。また、生物画像解析にかかる共同研究の契機となればと期待致しております。
オーガナイザー 加藤 輝(生命創成探究センター 生物画像情報解析グループ)