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2016年10月03日
大隅良典先生のノーベル生理学・医学賞受賞を祝して(所長メッセージ)

大隅良典先生、このたびのノーベル生理学・医学賞受賞まことにおめでとうございます。基礎生物学研究所所員一同、心よりお祝い申し上げます。

 

先生は、東京大学教養学部の助教授であった時代に、顕微鏡で見ると栄養が絶たれた酵母の細胞内にキラキラ光るものが現れることに強い興味をもたれ、その実体の解明に立ち向かわれました。この研究が、今回の受賞業績である、細胞が自分の一部を分解して、厳しい条件下を生き延びるのに必要な素材を回収するオートファジーと呼ばれる現象の発見につながりました。しかし当初、基礎研究にありがちなことですが、周囲はお仕事に大きな関心を示さず、また現象に関係する遺伝子を捕まえてきても、それらの遺伝子がどんな働きをしているのか皆目分からないという時期が続きました。先生はこうした状況に屈することなく、ひたすらオートファジーの全体像の解明に立ち向かわれました。

 

1996年に基礎生物学研究所に教授として着任され、お仕事が深まり、さらに広がりが増していきました。13年間の研究所在職中に、先例がないために配列だけを見ても働きが分からなかったオートファジーに関わる遺伝子の役割を次々と解明され、また酵母で見つかったものと同様のシステムが動物細胞でも働いていることを明らかにされました。オートファジーは細胞が正しく機能するために不可欠な仕組みとして今日多くの研究者が研究するところとなり、オートファジーの異常と様々な疾患との関係も見えてきました。

 

先生の一貫した研究に対するご熱意とご努力にいくらかでもお応えできるよう研究環境を整え、有能な若手研究者たちとともに研究を大きく発展させるお手伝いができたことを、基礎生物学研究所は大きな誇りに思います。また、先生から学んだ、基礎研究に取り組む心構えと姿勢は、研究所の若手研究者の大きな支えとなっています。

 

常に第一線で研究を続けておられる先生のますますのご活躍とご健康を祈念しつつ、このような素晴らしい日を迎えさせて下さったことに深く感謝申し上げます。

 

                    自然科学研究機構 基礎生物学研究所

                           所長  山本 正幸

 

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大隅良典先生(中央)。左は小森彰夫自然科学研究機構長、右が山本正幸基礎生物学研究所長