基礎生物学研究所
(1) 超階層生物学共同利用研究
(2) 新規モデル生物開発共同利用研究
(3) 個別共同利用研究
(4) 統合ゲノミクス共同利用研究
(5) 統合イメージング共同利用研究
(6) 大型スペクトログラフ共同利用実験
(7) 生物遺伝資源新規保存技術開発共同利用研究
(8) 研究会
(9) トレーニングコース
2025年4月1日~2026年3月31日
生物が示す現象は、ゲノムから高分子複合体、細胞小器官、細胞、組織、器官、個体、個体群にいたる各階層の複雑なネットワークの総和として現れるため、生物現象の本質的な理解には階層を超える解析が必要です。しかし、多階層の時空間スケールに渡る各種オミクスデータ、バイオイメージングデータを統合して解析するには、人間の処理能力に頼った解析だけでは限界があります。そこで、基礎生物学研究所では、AI解析を導入し人間の認知能力では処理できない多階層に渡るデータをシステムとして繋ぎ、生命現象を理解する超階層生物学(Trans-Scale Biology)を推進しています。[超階層生物学センターHP:https://www.nibb.ac.jp/tsb/]
本共同利用研究は、ある階層の生命現象を別の階層の生命現象と結びつける「階層を超えた研究(超階層生物学)」が、生物学におけるインパクトの高い研究につながるとの観点から、所外と所内の教員が共同して行う研究を推進することを目指して本課題を設定しています。本共同利用研究には以下のような研究が含まれます。なお、公募期間外の随時申請は受け付けません。
a) 複数の階層に渡るネットワーク解析から生物現象を理解する研究
b) AIによるビッグデータ解析や人機協働による階層を超えた新たな知見につながる研究
c) モデリング、シミュレーション等の情報科学の技術を取り込み、生命現象の異なる階層を繋ぐ研究
d) 幅広い階層のイメージングデータやトランスオミクスデータを扱う研究
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 研究期間
1年以上3年を超えない期間。2年以上継続する場合、年度ごとに申請していただきます。
(3) 研究費
1件あたり年間上限100万円とします。
共同利用研究の実施にあたり必要と認められた場合、最大で配分額の満額まで、所内対応者の研究室に支援人員を雇用する経費(人件費)に充てることが可能です。人件費の申請にあたっては所内対応者とよく相談してください。なお、提案代表者が所内の研究者である場合、研究費を人件費に使用することは認められません。
(4) 申請内容
申請書に以下の内容を必ず記載してください。
・どのような生物現象をどの階層(複数)に視点をおいた解析から明らかにするのか。
・階層を超えた研究から期待できる成果のインパクト。
以下の解析が研究計画に含まれているのであれば記入してください。
・ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、マルチオミクス等のビッグデータ解析の進行状況と予定。
・バイオイメージング解析の進行状況と予定。
・AIを用いた解析の進行状況と予定。
(5) 成果報告会・ワークショップの開催について
・最終年度に、研究成果に関する成果報告会を必ず開催してください。
・2年以上継続する場合、ワークショップを実施してください。ただし最終年度の成果報告会実施の際、ワークショップの内容を兼ねて同時に開催していただくことも可能です。成果報告会とワークショップを別途開催する場合は、ワークショップを研究期間の2年目または3年目に実施してください。
・成果報告会及びワークショップ(以下「成果報告会等」という。)の開催にあたっては、別途「8.研究会」に申請してください。超階層生物学共同利用研究の経費から成果報告会等の開催に係る費用は支出できないため、ご注意ください。なお、成果報告会とワークショップを別々に開催する場合、「8.研究会」に2回申請してください。
・成果報告会等の開催にあたっては、参加者を広く募ることができるよう、通常の集合形式での開催と併せてweb会議等によるオンライン配信の実施を推奨します。
・成果報告会等の開催後は、超階層生物学共同利用研究の共同利用研究実施報告書とは別途、研究会の実施報告書をNOUSからご提出ください。
(6) その他
超階層生物学共同利用研究についてのご質問・お問い合わせは、以下にてお受けします。申請にあたっては、事前に担当教員までお問い合わせください。
基礎生物学研究所・超階層生物学センター・超階層生物学共同利用推進室
RMC教授 亀井 保博 電話(0564)55-7537; e-mail tsb_office@nibb.ac.jp
また、本共同利用研究の内容については基礎生物学研究所のホームページもご参照ください(https://www.nibb.ac.jp/collabo/collabo.html)。
生物学研究に有用な新しいモデル生物の確立および開発に向けて、所外と所内の教員が共同して行う研究。
本共同利用研究は新しいモデル生物の確立や開発が生物学の進展に極めて重要であるとの観点から推進するもので、以下の研究が含まれます。公募期間外の随時申請を受け付けます。
a) モデル生物の創成、改良等新規なモデル生物の確立にむけた研究
b) モデル生物や新規解析技術の普及を目指すワークショップ等の開催
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 研究期間
研究期間の上限はありませんが、2年以上継続する場合、年度ごとに申請していただきます。
(3) 経費配分
共同利用研究の実施に必要な基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料を本研究所の予算の範囲内において配分します。研究費の助成はありません。
また、過去に本研究所共同利用研究に通算して5年以上採択されている場合は、これまでの研究実績(成果論文の発表等)により、配分金額を調整する場合があります。
(4) 申請内容
申請書に以下の内容を必ず記載してください。
・どのような生物現象を新規モデル生物を用いて解明することが期待できるか。
・形質転換系開発の進行状況と予定
・ゲノム解読の進行状況と予定
・国際コミュニティ構築の予定
(5) 成果報告会・ワークショップの開催について
・最終年度に研究成果に関する成果報告会を開催してください。
・2年以上継続する場合、ワークショップを実施してください。ただし、最終年度の成果報告会実施の際、ワークショップの内容を兼ねて同時に開催していただくことも可能です。成果報告会とワークショップを別途開催する場合は、ワークショップを研究期間の2年目以降に実施してください。
・成果報告会及びワークショップ(以下「成果報告会等」という。)の開催にあたっては、別途「8.研究会」に申請してください。新規モデル生物開発共同利用研究の経費から成果報告会等の開催に係る費用は支出できないため、ご注意ください。なお、成果報告会とワークショップを別々に開催する場合、「8.研究会」に2回申請してください。
・成果報告会等の開催にあたっては、参加者を広く募ることができるよう、通常の集合形式での開催と併せてweb会議等によるオンライン配信の実施を推奨します。
・成果報告会等の開催後は、超階層生物学共同利用研究の共同利用研究実施報告書とは別途、研究会の実施報告書をNOUSからご提出ください。
所外の研究者が、所内の教員と協力して行う個別プロジェクト研究。
(1) 研究期間
1年以内。2年以上継続する場合、年度ごとに申請をしていただきます。
(2) 提案代表者(代表者)
所外の研究者に限ります。
(3) 経費配分
共同利用研究の実施に必要な基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料を本研究所の予算の範囲内において配分します。研究費の助成はありません。
また、過去に本研究所共同利用研究に通算して5年以上採択されている場合は、これまでの研究実績(成果論文の発表等)により、配分金額を調整する場合があります。
基礎生物学研究所が運用している次世代DNAシーケンサーを使用したハイスループット遺伝子解析、および、大規模計算機システム(生物情報解析システム)を活用したゲノム関連データ解析を中心に、他研究機関の研究者あるいは所内の研究者が、超階層生物学センターのトランスオミクス解析室、データ統合解析室と共同して行う研究です。
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 研究期間
1年以内。2年以上継続する場合、年度ごとに申請していただきます。
(3) 研究課題
主たる担当教員を以下のように配置しますが、研究課題に応じて柔軟に対応します。
A.トランスオミクス(担当教員:重信秀治 教授〔shige@nibb.ac.jp〕、吉田拓也特任准教授〔tyoshida@nibb.ac.jp〕)
当研究所のトランスオミクス解析室では、イルミナ社のNextSeq550とMiSeq、およびパシフィックバイオ社の Sequel IIe, オックスフォードナノポア社のMinION、GridIONの次世代DNAシーケンサーを運用しています。また高度なライブラリ調製やデータ解析のための設備も整備されています( https://www.nibb.ac.jp/analyins/ )。
これらを活用して、実験計画からデータ解析まで緊密な連携の上で共同研究を行います。特に、既存技術では不可能だった興味深い生命現象へのアプローチや、次世代シーケンシングの新規応用法の開発に関する課題を歓迎します。生物種は問いません。また、ゲノムやトランスクリプトーム解析のみならず、次世代シーケンシング技術を使った多様なオミクス解析(例:エピゲノミクスやエコゲノミクスなど)や、質量分析装置を用いるプロテオミクスやメタボロミクスなど、多階層のオミクスデータを統合的に解析する課題も歓迎します。
B.バイオインフォマティクス(担当教員:内山郁夫 准教授〔uchiyama@nibb.ac.jp〕)
当研究所のデータ統合解析室では、大規模な計算機クラスタ、共有メモリ計算サーバ、大容量ファイルサーバなどから構成される計算機システム(生物情報解析システム)を運用しており、このシステムを活用したバイオインフォマティクスデータ解析の共同研究を行います。研究目的に応じたリソース配分やソフトウェアの活用などを密接な相談の元に進めますので、計算機に不慣れな方の応募も歓迎します。また、既存のソフトウェアを利用したデータ処理にとどまらず、既存の方法論の改良や新たな解析アプローチの開発を含む研究や、公的データベースのデータをも活用した大規模なデータ解析、広く研究コミュニティに貢献する有用なデータベースの構築などの研究課題も歓迎します。
(4) 経費配分
共同利用研究の実施に必要な基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料を本研究所の予算の範囲内において配分します。研究費の助成はありません。
また、過去に本研究所共同利用研究に通算して5年以上採択されている場合は、これまでの研究実績(成果論文の発表等)により、配分金額を調整する場合があります。
基礎生物学研究所が運用している特色ある先端光学機器を用いた実験・研究を行うとともに、生物画像処理・解析に関するニーズや課題を解決することを目的とします。他研究機関の研究者あるいは所内の研究者が、基礎生物学研究所の教員(当研究所を併任する、生命創成探究センターの専任教員を含む)と共同して行う研究です。最先端の光学機器と最先端の解析技術による共同研究を幅広くサポートします。
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 研究期間
1年以内。2年以上継続する場合、年度ごとに申請していただきます。
(3) 研究課題
主たる担当教員を以下のように配置しますが、研究課題に応じて柔軟に対応します。
A.先端顕微鏡利用(担当教員:亀井保博RMC教授〔ykamei@nibb.ac.jp〕、野中茂紀准教授〔snonaka@nibb.ac.jp〕)
基礎生物学研究所では、様々な先端イメージング機器を運用しています。さらに、赤外線照射によって組織個体内の任意の部位に目的遺伝子を発現させるIR-LEGOシステム、深部観察能と低褪色低光毒性に強みを持つ2光子顕微鏡、高速性と低褪色低光毒性に強みを持つ光シート顕微鏡、といった光学機器も運用しています。これらを用いた光照射、光制御、イメージング等の共同利用研究を行います。
B.生物画像処理・画像解析 (担当教員:加藤輝RMC助教〔kkat@nibb.ac.jp〕、太田裕作特任助教〔yohta@nibb.ac.jp〕)
光学顕微鏡、電子顕微鏡等で取得された画像データに対し、①新規の画像処理・解析手法の開発、②アプリケーションソフトウェアの開発研究、③画像解析を目的とした実験系の構築、など、生物画像解析に関わる共同研究を行います。
(4) 経費配分
共同利用研究の実施に必要な基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料を本研究所の予算の範囲内において配分します。研究費の助成はありません。
また、過去に本研究所共同利用研究に通算して5年以上採択されている場合は、これまでの研究実績(成果論文の発表等)により、配分金額を調整する場合があります。
大型スペクトログラフを使用して、本研究所が設定した実験課題について行われる実験・研究
(1) 実験課題
生物の多様な機能を制御する各種の光受容系の機構の解明を行うため、共同利用実験の課題として次の4つの研究テーマが設定されています。
Ⅰ「光情報による細胞機能の制御」
Ⅱ「光エネルギー変換」
Ⅲ「生物における空間認識・明暗認識」
Ⅳ「紫外線による生体機能損傷と光回復」
なお、本研究所の大型スペクトログラフ(詳細事項については、https://sites.google.com/nibb.ac.jp/bio-imaging/equipment/olsをご参照ください。)は、高分解能・高強度の単色光を広波長領域にわたって、同時照射することが可能な光の作用を高度に解析するための装置です。このような性能を生かした研究を効率良く行うため、あらかじめ充分な予備実験等を行った上、本装置での照射実験をご計画ください。予備実験のための様々な波長のLED照射装置等もご利用頂けます。
事前に担当教員(バイオイメージング解析室 亀井保博RMC教授〔ykamei@nibb.ac.jp〕)にお問い合わせ下さい。
(2) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(3) 研究期間
1年以内。継続可能。2年以上継続する場合、年度ごとに申請していただきます。
(4) 経費配分
大型スペクトログラフ共同利用実験の実施に必要な基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料を本研究所の予算の範囲内において配分します。研究費の助成はありません。
研究に利用される様々な生物遺伝資源を安定に長期保存する技術を確立・改良し、将来的にはそれら資源のIBBPセンターでのバックアップ保管に資することを目指して行う研究です。
所外あるいは所内の研究者が、IBBPセンターあるいはIBBP大学サテライト拠点の教員と共同して、生物遺伝資源の新規長期保存方法の樹立を目指すものです。
本共同利用研究は、長期保存技術の開発が生物遺伝資源の安定保存に重要であり、新規モデル生物の樹立にも直接資するとの観点から推進するものであり、以下の研究が含まれます。公募期間外の随時申請は受け付けません。
事前に担当教員(IBBPセンター栂根一夫助教〔tsugane@nibb.ac.jp〕)にお問い合わせ下さい。
1)長期保存技術が確立していない生物遺伝資源の凍結、低温、常温を含む新規保存技術の開発
2)低温保存技術の改良に資する基礎的な低温生物学的研究
※ 特段の新規性がない場合、既に確立された保存技術を用いた近縁種の保存を目的とする研究は本共同利用研究の対象外となります。
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 研究期間
1年以内。2年以上継続する場合、年度ごとに申請していただきます。
新規保存技術の開発については、原則として3年間を上限とします。
(3) 研究費
1件あたり年間上限50万円。
共同利用研究の実施にあたり必要と認められた場合、最大で配分額の満額まで、所内対応者の研究室に支援人員を雇用する経費(人件費)に充てることが可能です。人件費の申請にあたっては所内対応者とよく相談してください。なお、提案代表者が所内の研究者である場合、研究費を人件費に使用することは認められません。
消耗品費については他機関で予算を執行することが可能です。(人件費の使用は基礎生物学研究所所内のみ)
基礎生物学分野において重要な課題を対象とした比較的少人数の研究討論集会です。
申請にあたっては、事前に担当教員(立松圭RMC助教〔ktatem@nibb.ac.jp〕)にお問い合わせください。
同一課題での申請は原則3回までとなります。
なお、「1.超階層生物学共同利用研究」及び「2.新規モデル生物開発共同利用研究」の成果報告会またはワークショップを開催する場合、研究会の申請が必要です。
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 開催期間・場所
開催期間は原則3日間を限度とし、本研究所において開催してください。
なお、岡崎コンファレンスセンター(OCC)( https://sites.google.com/orion.ac.jp/occ/ )を利用する場合は、所内対応者に問い合わせてください。
必要に応じて、web会議形式を取り入れてください。
(3) 経費配分
研究会における講演者及び発表者の基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料を本研究所の予算の範囲内において配分します。研究費の配分はありません。
講演者、発表予定者とは別途、研究会を主宰するメンバーは共同利用研究分担者として申請書に記載してください。
なお、「1.超階層生物学共同利用研究」及び「2.新規モデル生物開発共同利用研究」の成果報告会等の実施に係る申請課題に限り、講演謝金として経費を支出することが可能です。講演謝金を申請する場合は、「1.超階層生物学共同利用研究」または「2.新規モデル生物開発共同利用研究」に係る申請であること、及び講演謝金の支出を希望することについて申請書に記載してください。なお、研究の遂行に必要な助言を得るために、提案代表者並びに研究会を主宰する共同利用研究分担者 以外の研究者を講演者として招へいして実施する講演が謝金の支出対象となりますので、ご注意ください。また、通常の研究会において講演謝金の支出は認められません。
基礎生物学に関連する研究技術の普及を目的としたトレーニングコースの開催です。
申請にあたっては、事前に担当教員(重信秀治教授〔shige@nibb.ac.jp〕)にお問い合わせ下さい。
(1) 提案代表者(代表者)
所外又は所内の研究者。
(2) 開催場所
本研究所において開催してください。
(3) 経費配分
トレーニングコース開催における講師及び補助者の基礎生物学研究所までの交通費及び日当・宿泊料、また実施に必要な試薬等の消耗品費を本研究所の予算の範囲内において配分します。