ステート遷移の分子機構1

私たちは,ステート遷移の能力が特に発達しているクラミドモナスを用いて,ステート遷移の実体について詳しく調べています.

光化学系2を励起し過ぎると,光化学II集光アンテナは小さくなり,逆に光化学系1集光アンテナは大きくなります(この状態をステート2と呼びます).ステート2の光化学I光化学系2を丸ごと単離することに成功したことで,分子メカニズムが少しずつ明らかになってきました.

もともと光化学IIには、反応中心には,単量体であるCP26やCP29を介して三量体LHCIIが結合しています(PSII超複合体).さらに2個以上のPSII超複合体が結合して,PSIIメガ複合体になります.


ステート遷移が起こると,まず,三量体 LHCIIの一部がリン酸化され,PSIIメガ複合体は1つ1つのPSII超複合体に分離します.