南極のクラミドモナス:Chlamydomonas UWO241

UWO241は、南極大陸のドライバレーにあるボニー湖で発見されました。ボニー湖の湖水は低温かつ高塩濃度であり、また一年を通じて表面を厚い氷の層に覆われているために、上下の攪拌(鉛直混合)がおきません。そのため、UWO241は好冷性耐塩性を併せ持ち、さらに非常に安定した光環境のもとで生育しています。

UWO241の光環境適応機構

クラミドモナスUWO241は、通常の緑藻が持っているステート遷移能力に欠けていました。その原因はまだわかっていません。しかし、ボニー湖は白夜の元にあるなどもともと光環境が安定しているのに加え、1年を通じて湖の表面が氷で覆われています。そのため、湖水の上層と下層は全く攪拌されず、その光環境は極度に安定しています。このような環境がUWO241の生存を可能にしたと考えられます。

わたしたちは、これらの研究を通して、植物プランクトンが自然環境の変化にどう適応できるかについて、研究しています。