光合成の環境適応

植物には”足”がありません

植物はなぜ盛んに環境適応をするのか

植物は好きな場所に近づくことができません。嫌いな場所から逃げることもできません。そのため、今いる環境に合うように、自分の体を調節(馴化)したり、遺伝子を作り替えたり(適応)して生き延びてきました。これらをまとめて環境適応と言います。


(”漂う”という生活スタイルをとる、クラミドモナスなどの植物プランクトンも基本は同じです)

光合成は,光化学系1光化学系2と呼ばれる2種類の複合体において行われます.どちらの光化学系も2つの部分 ― 光を集める集光アンテナと,光エネルギーを電気化学エネルギーに変換する反応中心 ― で構成されています.


反応中心の構造は,シアノバクテリアから高等植物までほぼ保存されており,どのような環境においても余り変化しません.


一方,集光アンテナは生物種によって多様です.緑藻や陸上植物はクロロフィル型のLHCと呼ばれる集光アンテナを持ちます.同じ生物種であっても,環境によって,量や構成さらには機能までをダイナミックに調節し,光合成生物は環境に適応しています.