生き物は他の生物個体との相互作用をしながら生活しています。一つの生物個体を考えても、その生き物の表面や体の中には多くの微生物が生息しており、共生や寄生とも呼ばれるような個体間での相互作用のメリットやデメリットが存在する中で生活しています。また、生殖は同じ種の他の個体との関係によって成立します。更に、動物と植物、微生物など種間での多様な関係を持ち、生物の進化に伴って生物の社会とも呼ぶべき複雑なネットワークである生態系を形成しています。そこで、生物社会学解析室では、生物個体の行動や挙動に基づきマクロスコピックな生物が織りなす社会の解析までを広く対象とする研究を進めます。TSBセンター内での他の室との協力により、生物社会を可能とする基盤となる分子、遺伝子、高分子、細胞などのよりミクロな階層でみられる機構を解明することを目標とします。基礎生物学研究所内に限らず広く、生物の社会を研究する研究者との共同研究により、マクロレベルで見られる生物現象をよりミクロな階層から深く理解できることを目指します。
Odontotermes formosanus on fungus garden 菌園上でキノコを栽培するタイワンシロアリ
ゼブラフィッシュ仔魚において、主に筋肉の活性化を担うコリン作動性ニューロンを可視化した遺伝子組み換え魚体の前後で異なる色の蛍光タンパク質を発現させた