English

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

  • Home
  • 研究部門・施設
  • > 超階層生物学センター Trans-Scale Biology (TSB) Center
  • > バイオイメージング解析室

研究部門・施設

バイオイメージング解析室

スタッフ

Webサイト

研究の概要

バイオイメージング解析室は、「光」をツールとする研究機器の管理・運営と、技術職員による操作等の技術的側面からのサポートならびに、研究者による学術的な側面からのサポートを行っている。「統合イメージング共同利用研究」、「大型スペクトログラフ共同利用研究」課題の支援を行っている。

主な機器:

(1)大型分光照射装置(スペクトログラフ)

大型スペクトログラフは世界最大の超大型分光照射設備で、波長 250 ~ 1000ナノメートルの紫外・可視・赤外光を全長約10メートルの馬蹄型の焦点曲面に分散させ、強い単色光を照射する。地球上でありうる光環境を再現できる強力な光源を使用しており、生命体が受ける光を個体レベルに照射することができる。また、多波長で強力な単色光を同時に照射することが可能であるため、作用スペクトル解析の強力なツールとして植物個体の光応答の解析や、小型魚類の色覚解析などに使用されている(図1、文献2)。共同利用研究の「大型スペクトログラフ共同利用」として広く利用者を公募しており、多くの大学や研究機関の研究者と共同研究を実施している。
 
2022_optics_imaging_fig1.jpg
図 1. 大型スペクトログラフを使った魚類色覚実験(中央の赤色縞が回転し、魚が追従運動する様子を下側から撮像して解析)の見学
 

(2)顕微鏡等イメージング機器

バイオイメージングに必要な顕微鏡類として、共焦点顕微鏡(9台)、多光子顕微鏡(5台)、走査型電子顕微鏡(SEM)、X線CT、原子間力顕微鏡を設置し、また画像解析を行うための画像解析用ワークステーション(画像解析ソフトウエア)も取り揃えている。さらには高速で3次元画像取得が可能なLight-sheet Microscope(図2右上)、生体内単一細胞レベルで遺伝子発現誘導を行えるIR-LEGO(Infrared Laser Evoked Gene Operator:図2右下)顕微鏡など、特殊な顕微鏡も設置しており、観察だけでなく顕微鏡を使って生体を操作するようなイメージング技術(次世代顕微鏡)で共同利用や、先端バイオイメージング支援(ABiS)を強力に推進している(図2)。また、遠隔実験(オンラインミーティングを行いながらのイメージング実験)も新たに開始し、外部リモートアクセスによる画像解析ワークステーション利用も受け付けている。さらに、先端バイオイメージング支援プラットフォーム(ABiS)と連携して顕微鏡技術や画像解析技術のトレーニングコースも毎年開催し、バイオイメージング技術の普及にも力を入れている(図3)。
 
2022_optics_imaging_fig2.jpg
図 2. バイオイメージング解析室のリーフレットならびに共同利用研究の様子(右上ライトシート、右下IR-LEGO)
 
2022_optics_imaging_fig3.jpg
図 3. トレーニングコースにも利用できる顕微鏡室(B66 室)

共同研究利用の募集

バイオイメージング解析室では、上記の顕微鏡技術IR-LEGO法を含む各種イメージング機器を使った共同利用研究を募集しております。IR-LEGO法は、メダカ、ゼブラフィッシュ、ゼノパス、シロイヌナズナで応用可能なことが確認されています。様々な応用が考えられますが、細胞系譜解析(Shimada et al. 2013)や、単一細胞焼殺研究、単一細胞レベルでの遺伝子機能解析が可能です。施設や技術の詳細は施設Webサイト(https://sites.google.com/nibb.ac.jp/bio-imaging/)をご参照ください。また、メダカ変異体を使った共同利用研究も可能です。
 

研究室関連資料

参考文献

1. Tomoi, T., Tameshige, T., Betsuyaku, E., Hamada, S., Sakamoto, J., Uchida, N., Torii, K.U., Shimizu, K.K., Tamada, Y., Urawa, H., Okada, K., Fukuda, H., Tatematsu, K., Kamei, Y., and Betsuyaku, S. (2023). Targeted single-cell gene induction by optimizing the dually regulated CRE/loxP system by a newly defined heat-shock promoter and the steroid hormone in Arabidopsis thaliana. Front. Plant Sci. 14, 1171531.
 
2. Lu, K., Wazawa, T., Sakamoto, J., Quang, C., Nakano, M., Kamei, Y., and Nagai, T. (2022). Intracellular Heat Transfer and Thermal Property Revealed by Kilohertz Temperature Imaging with a Genetically Encoded Nanothermometer. Nano Lett. 22, 5698-5707.
 
3. Okuyama, T., Yokoi, S., Abe, H., Isoe, Y., Suehiro, Y., Imada, H., Tanaka, M., Kawasaki, T., Yuba, S., Taniguchi, Y., Kamei, Y., Okubo, K., Shimada, A., Naruse, K., Takeda, H., Oka, Y., Kubo, T., and Takeuchi, H. (2014). A neural mechanism underlying mating preferences for familiar individuals in medaka fish. Science 343, 91-94.
 
4. Shimada, A., Kawasishi, T., Kaneko, T., Yoshihara, H., Yano, T., Inohaya, K., Kinoshita, M., Kamei, Y., Tamura, K., and Takeda, H. (2013). Trunk exoskeleton in teleosts is mesodermal in origin. Nat. Commun. 4, 1639.
 
5. Kamei, Y., Suzuki, M., Watanabe, K., Fujimori, K., Kawasaki, T., Deguchi, T., Yoneda, Y., Todo, T., Takagi, S., Funatsu, T., and Yuba, S. (2009). Infrared laser-mediated gene induction in targeted single cells in vivo. Nat. Methods 6, 79-81.

連絡先

亀井 保博 RMC教授 E-mail: ykamei@nibb.ac.jp

映像

写真