モデル生物研究支援室は、生物学研究の基盤となるモデル動植物等について、飼育・栽培のための設備を提供するとともに、形質転換体や突然変異体の開発や保存、さらには解析研究の支援を行います。モデル動物研究支援施設、モデル植物研究支援施設、器官培養研究支援施設を備えています。また、基礎生物学研究所では、ナショナルバイオリソースプロジェクト・メダカ(中核機関)、ゼブラフィッシュ(分担機関)、アサガオ(分担機関)を推進しており、モデル生物研究支援室で飼育、栽培された突然変異系統や形質転換系統、各種DNAクローンが国内外の研究者に提供されています。
モデル動物研究支援施設
モデル動物研究支援施設は、研究者・施設スタッフ・動物・飼育器材・機器類の動線を明確にし、動物や作業者の健康保持と汚染防止に努め、高い精度の動物実験を行なうという概念のもとに作られている。山手地区では、クリーンエリアとセミクリーンエリアを厳密に区分してSPFマウスの管理が行われている。バリア区域内に、SPFマウス飼育室、 胚操作実験室、行動解析実験室、遺伝子組換え実験室を備える。ゲノム編集マウスなどの遺伝子操作マウスの開発・飼育維持・解析とともに、系統保存を行っている。また、小型魚類を用いた実験と飼育のため、照明と温度が制御できる自動循環水槽や検疫室を設置している。


モデル動物研究支援施設(山手地区)
モデル植物研究支援施設
モデル植物研究支援施設は明大寺地区にあり、植物の育成と、他の施設では困難な動物の飼育を支援している。研究棟内にはインキュベーターや恒温室を備えており、特殊条件下での育成や、遺伝子組換え実験に対応している。また、屋外には、温室、圃場、圃場管理棟が設置されており、うち温室2棟ではP1Pレベルの遺伝子組換え実験が可能である。これらの施設では、クラミドモナス、ヒメツリガネゴケ、ゼニゴケ、シロイヌナズナ、ミヤコグサ、アサガオ、イネ、オジギソウ、食虫植物などの植物や、カブトムシなどの動物が育成されている。さらに、クロロフィル蛍光測定装置、倍数性やゲノムサイズの解析装置などの機器も備えており、共同利用研究でも利用が可能である。

モデル植物研究支援施設(明大寺地区)
器官培養研究支援施設
器官培養研究支援施設では、単細胞生物から多細胞生物までの細胞・組織・器官等を種々の物理的(光・温度)、化学的(ガスの組成)環境条件のもとで培養する設備を備える。

器官培養研究支援施設(明大寺地区、山手地区)