データ統合解析室は、高性能の計算機を利用した大規模なデータ解析に基づく生物学研究の支援を行っています。ゲノムや遺伝子、タンパク質などの各種のオミクスデータベースや、配列解析、発現データ解析、画像処理などの各種の解析プログラムを用いて統合的な解析を行うための計算機環境を整備し、それらを駆使した解析プログラムの作成・実行から、解析結果のデータベース化やそれに基づく知識発見、成果の全世界に向けての公開までの一連の処理のサポートを行います。また、トランスオミクス解析室と共催でゲノムインフォマティクストレーニングコースを実施し、実験生物学者に向けたインフォマティクス技術の普及と計算機の活用促進を進めています。合わせて、所内の高速ネットワークシステムの維持管理を行うと共に、計算機・ネットワークの利用に関する相談への対応や、新しいサービスの導入なども行い、 所内外の情報交換の基盤を支えています。
1. 計算機環境の整備
岡﨑共通研究施設計算科学研究センターと協力して、同センターの計算機システム上に分子生物学関連アプリケーションを整備し、基礎生物学分野の利用者向けに提供している。Bowtie, Trinity等の次世代シーケンサデータ解析ソフトウェアや、BLAST, DIAMOND 等のデータベース検索アプリケーション、さらに検索対象となるデータベースなどについて最新版を維持し、利用者向けのサポートも行っている。また、独自のデータベースの構築を行うためのデータベースサーバと、サービスを外部に公開するための公開サーバも維持している。

データ統合解析室 マシンルーム
2. ネットワークシステム
岡崎3機関で構成するORION2022ネットワークシステムの保守、運用に携わっている。ORION2022ネットワークシステムは基幹に40~100Gbpsの帯域を有し、各室まで1~2.5Gbpsの情報コンセントを整備するとともに、岡崎3機関全所に無線アクセスポイントを整備している。加えて、高スループット化する分析機器用に フル10Gbps情報コンセントを整備して大容量化するデータの交換に対応している。また、ゲストアカウントシステムなどのネットワークアプリケーションの提供を行い、所内における最新の情報通信インフラ整備を行うとともに、Webサーバを始めとした公開サービス用のネットワークサーバの運用を通じて所外への情報発信にも貢献している。併せて、岡崎3機関や自然科学研究機構の指針に準じた、情報セキュリティに関する対応や啓蒙を行っている。
3. データベース
様々なモデル生物における遺伝子・タンパク質の配列や、画像・動画等を載せたデータベースを、所内外の研究者と共同で構築している。データベースは Web で公開され、毎月数千~数万件のアクセスがあり、国内外の研究者に幅広く利用されている。
- MBGD 微生物ゲノム比較解析データベース
- XDB アフリカツメガエル cDNA データベース
- PhyscoBASE ヒメツリガネゴケ統合データベース
- Japanese morning glory Genome Database アサガオゲノムデータベース
- The Plant Organelles Database3 植物オルガネラデータベース
- iNewt イベリアトゲイモリポータルサイト
- nekko アーバスキュラー菌根菌ゲノムポータルサイト
- DB-HABs 有害赤塩藻類データベース
- ChaetoBase ツノケイソウゲノムデータベース

微生物ゲノム比較解析データベース MBGD