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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

基礎生物学研究所

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研究部門・施設

自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター 宇宙生命探査プロジェクト室 藤田グループ

研究教育職員

藤田 浩徳
助教
藤田 浩徳
FUJITA, Hironori

研究の概要

生命における秩序の創発

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自然界は様々な時空間構造に満ちており、これらはすべて自己組織的な秩序創発により生み出されてきます。このことはとりわけ生物において顕著であり、生命は自己組織的な時空間パターンの宝庫です。この秩序創発は生命の誕生まで遡ることができ、生命はその誕生および複雑化の過程において、様々な秩序創発現象を順次取り込み進化してきたと言えます。本研究グループでは、このような生命における秩序創発現象を、主に植物を研究対象として、数理的手法を用いることにより理解することを目指しています。

生命における自己組織的パターン形成

生物は時として驚くほど美しく秩序だった空間構造を作り出すことがあります。その代表的な例として植物の葉序が挙げられます。葉序は茎の周りの葉の配置様式のことで、美しい幾何学的模様を生み出すことで有名です(上図左)。この規則的パターンは、植物ホルモン Auxin とその膜輸送体 PIN1 がお互いに制御し合うことにより自己組織的に形成されます(文献2、6)。

一方で、植物の葉に形成される維管束のことを葉脈と呼び、植物種に応じて多様なパターンをとることが広く知られています(上図中)。この葉脈パターンに関しても Auxin と PIN1 の相互制御が本質的に関わっていますが、興味深いことに葉序の場合とは全く異なる相互制御により形成されることが知られています(図1、文献5、6)。
 

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図1.葉脈パターンの形成・制御
Auxin と PIN1 の相互制御に基づいた数理モデルにより、多様な葉脈パターンが再現できる(文献5)。

また、植物の地上部組織は、茎の先端にある分裂組織(SAM)によりすべて生み出されてきます。従って、植物の地上部の構造・体制を考える上で、SAM は極めて重要な器官です(上図右)。SAM の制御においては、転写制御因子 WUS と拡散性ペプチド CLV3 との相互制御が重要であることが知られています(図2、文献4、6)。
 

2020_fujita_fig2.jpg

図2.茎頂分裂組織(SAM)パターンの形成・制御
WUS と CLV3 の相互制御に基づいた数理モデルにより、多様な茎頂分裂組織(SAM) の基本的パターンが再現できる(文献4)。

本研究室では、このような生命に見られる自己組織的な秩序の形成・制御機構を、数理的手法を用いることにより理解することを目指しています。

Webサイト

研究室関連資料

参考文献

Fujita, H., Hayashi-Tsugane, M., and Kawaguchi, M. (2020). Spatial regulation of resource allocation in response to nutritional availability. J. Theor. Biol. 486, 110078.
 
Fujita, H., and Kawaguchi, M. (2018). Spatial regularity control of phyllotaxis pattern generated by the mutual interaction between auxin and PIN1. PLoS Comput. Biol. 14, e1006065.
 
Fujita, H., Aoki, S., and Kawaguchi, M. (2014). Evolutionary dynamics of nitrogen fixation in the Legume–Rhizobia symbiosis. PLoS ONE 9, e93670.
 
Fujita, H., Toyokura, K., Okada, K., and Kawaguchi, M. (2011). Reaction-diffusion pattern in shoot apical meristem of plants. PLoS ONE 6, e18243.
 
Fujita, H., and Mochizuki, A. (2006). The origin of the diversity of leaf venation pattern. Dev. Dyn. 235, 2710-2721.
  
藤田浩徳 (2016). 細胞間シグナル分子を介した形態形成のコンピューターモデリング ― 植物における自己組織的パターン形成. 生物の科学 遺伝 70, 371-376.
 
福島健児、藤田浩徳 (2016). 食虫植物による形態複雑化メカニズムの解明. 生物物理 56, 255-261.
 
藤田浩徳、青木誠志郎、川口正代司 (2015). 根粒共生系の進化ダイナミクス. 細胞工学別冊 進化の謎をゲノムで解く 146-155.

連絡先

藤田 浩徳 助教 E-mail: hfujita@nibb.ac.jp