Drosera salina is locally distributed at the margins of salt lakes but with fresh-water and white sands in Western South Australia (Lowrie 2013).
Drosera salinaは南西オーストラリの塩湖の回りだが、塩気の無い白砂に生育する (Lowrie 2013)。
Drosera salina is classified in the Drosera peltate-complex because of some shared characters including its erect stem and the basal rosette leaves (Lowrie 2013). Rosette leaves are grown on the soil under cultivation, while they are usually covered with white sands in wild (Lowrie 2013), indicating that rosette leaves are formed on a ground when they are formed and then buried by sands.
Drosera salinaは茎が立ち上がり、ロゼット葉を形成することからDrosera peltate複合グループに分類される。遺伝子解析は行われておらず、今後異なった系統になる可能性もある。栽培下では、ロゼット葉は地際に形成されるが、野外ではたいがい白砂に浅く埋まっているが、時に1 cmほども埋まることもある。
Similar underground traps are formed in Philcoxia, which also grows in white sands in Brazil. The history of the discovery is described in Taylor et al.(2000). Fritsch et al. (2007) found trapped nematodes on the leaves and the carnivory was proved by Pereira et al. (2012) by examining absorption of nitrogen compounds from radiolabelled nematodes.
Drosera salinaに似た地中葉はブラジルに自生する食虫植物Philcoxia属にも見られる。Philcoxiaの発見から発表、そして食虫性の証明までの経緯は複雑で、詳細がTaylor et al.(2000)に記載されている。ニューヨーク植物園、ブラジリア大学、ノルテ農業大学の調査隊が、ブラジルのゴイアス州でPhilcoxiaの最初の標本(後のPhilcoxia goiasensis)を採集したのは1966年のことだった。この標本はタヌキモ科の植物だと考えられ、同科の専門家である英国キュー植物園のPeter Taylorの元に送られた。Taylorはタヌキモ科ではなくゴマノハグサ科であると考え、同科の専門家であるDavid Philcoxに見せたところ、ゴマノハグサ科の新属であると指摘された。しかし、その後、Taylorがタヌキモ属のモノグラフなど他の仕事で多忙であったため、論文は発表されなかった。
一方、1991年からキュー植物園のRay Harleyを中心とした、サンパウロ大学、ブラジルカカオ研究センターの共同チームがブラジルのバイーア州(ゴイアス州の隣の州)の植物相調査を行っていた。この地域はブラジル特有のサバナで、セハードと呼ばれる特殊な植生の地域として知られていたが、十分な調査がされてこなかった。彼らの調査の過程で、地元のSr. Wilson Ganevから、1992年にバイーア州ピアタPiataで採集したゴマノハグサ科らしい標本が提供された(後のPhilcoxia bahiensis)。キュー植物園のスタッフは、この標本を同定のため、ブラジル産ゴマノハグサ科のモノグラフを作っていたサンパウロ大学の大学院生Vinicius Souzaに送った。Souzaは送られてきた標本が、1981年にミナスジェライス州でサンパウロ大学のグループによって採集され、ゴマノハグサ科の新属に違いないと思っていた種(後のPhilcoxia minensis)と同属であるが別種であることに気づいた。
1994年になって、TaylorはPhilcoxiaの論文を書き上げ、彼のPhilcoxiaの採集地に近いゴイアス州で調査をしていたHarleyに見せた。その時のHarleyの驚きは想像に難くない。彼は、Souzaが記載しようとしていた2種がTaylorの記載しようとした種とは別種であるが、同属に違い無いことに気づき、Souzaに連絡した。その結果、TaylorとSouzaは共著で、Philcoxia属とそこに含まれる3種をゴマノハグサ科の一員として発表した(Taylor et al. 2000)。
Philcoxia属の種は、栄養分の少ない白砂に生育し、短径1ミリ、長径2ミリほどの楕円形の盾状葉を地表近くから地表すれすれのところに形成する。葉の表面には粘毛が生えている。また、同じシソ目のタヌキモ科や、遠縁であるが食虫植物のモウセンゴケ属に似て、葉がワラビ巻きに形成される。これらの点でいかにも食虫植物なのだが、野外調査で虫を捕らえた痕跡が見つからなかったことから、Taylor et al. (2000)は、食虫植物ではないと結論づけた。しかし、Philcoxia minensisについては標本に正確な採集地が記録されていなかったこと、現地の道路がひどく変わっていたり、ひどい日照りが続いたため、再発見できず現地調査ができなかったこともあり、食虫植物でないと確定するには、更なる研究が必要であると述べていた。
ところが、Taylorらの論文が発表された翌年、2001年に、米国カリフォルニア科学アカデミーとブラジルカンピナース州立大学の研究チームが、偶然、Philcoxia minensisを再発見した(Fritsch et al. 2007)。そして、これまでの観察のように、葉は地表すれすれに白砂に半分埋もれた状態で展開しており、葉の表面に虫は捕らえられていなかった。ところが、持ち帰った乾燥標本を顕微鏡で詳しく観察したところ、葉の表面に0.4ミリほどの糸状のものが着いているのに気づいた。拡大して観察すると、それらは線形動物のセンチュウであった。そこで、Philcoxiaの他の2種の標本も見たところ葉の表面にセンチュウがいることがわかった。栄養分の少ない白砂に生えること、似たような白砂で、より湿った場所には、地中の原生動物を食べるゲンリセアが自生することから、Fritschらは、Philcoxiaは食虫植物ではないかと考えた。そこで、葉を白黒フィルムに密着させ、フィルム表面のゼラチンがタンパク質分解酵素によって溶けるかどうかを調べてみた。しかし、結果はネガティブだった。Fritschらは、この実験結果に基づき、Philcoxia minensisは食虫植物とは言えないと結論づけた。さらに彼らは、遺伝子を用いた系統解析を行い、Philcoxiaはゴマノハグサ科の一員ではなく、オオバコ科のオオアブノメ属に近縁であると推定した。
Philocoxiaが食虫植物であることを実験的に示したのはカンピナース州立大学のRafael Oliveiraたちだった(Pereira et al. 2012)。Oliveiraは、Fritsch et al. (2007)の著者らと共同して、窒素の放射性同位体を含む餌を食べさせたセンチュウをPhilcoxia minensisの葉に与えてみたところ、24時間でセンチュウの約5%の同位体窒素が葉から検出されることを発見し、センチュウの体の成分がPhilcoxia minensisに吸収されていることを示した。また、Philcoxia minensisは周囲に自生している他の植物よりも、窒素とリン酸を多く含んでいた。これらのことから、Philcoxia minensisは食虫植物である可能性が高いと推定される。しかし、どのようにセンチュウを誘引し捕獲しているのか、消化酵素を分泌しているか、どうしてタンパク質分解酵素を分泌していないのか、センチュウの排出物ではなく本当に体を分解しているのか、など、わかっていない点が多い。
Nematodes were not found to be trapped on examined underground rosette leaves of Drosera salina but some larvae were trapped. Cauline and rosette leaves of Drosera salina may trap different kinds of animals.
Drosera salinaの葉を調べると、調べた限りではセンチュウは捕まっていなかったが、1枚あたり1、2匹の昆虫の幼虫が捕まっていた。茎生葉とロゼット葉で異なった種類の小動物を捕獲しているのかもしれない。
Fritsch, P.W., Almeda, F., Martins, A.B., Cruz, B.C., and Estes, D. (2007). Rediscovery and phylogenetic placement of Philcoxia minensis (Plantaginaceae), with a test of carnivory. Proc. Calif. Acad. Sci. 58, 447–467.
Lowrie, A. (2013). Carnivorous Plants of Australia Magnum Opus Vol. 2 (Poole, Dorset, UK: Redfern Natural History Productions).
Pereira, C.G., Almenara, D.P., Winter, C.E., Fritsch, P.W., Lambers, H., and Oliveira, R.S. (2012). Underground leaves of philcoxia trap and digest nematodes. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 109, 1154–1158.
Taylor, P., Souza, V.C., Giulietti, A.M., and Harley, R.M. (2000). Philcoxia: A new genus of Scrophulariaceae with three new species from Eastern Brazil. Kew Bull. 55, 155–163.