2025.03.07 NIBB動物行動学研究会 第46回講演会
干潟のカニのコミュニケーション~いかに語り合い、騙しあうのか~
村松大輔 博士(奈良教育大学自然環境教育センター・特任准教授)
2025年03月07日(金) 16:00 より 17:00 まで
Zoomオンライン
神経行動学研究部門 西海望(nozo@nibb.ac.jp)
干潟は見通しの利く平面的な環境であり、そこに棲むカニたちは複雑な視覚コミュニケーション手段を発達させている。中でも、ハクセンシオマネキは体の大きさに似つかわしくないほど巨大化したハサミを持っており、それを振り動かすハサミ振りディスプレイを行うほか、ハサミを用いて激しい闘争も行う。本発表では、(1) ハクセンシオマネキのオスが4種のハサミ振りディスプレイを状況に応じて使い分けることについて紹介し、(2) それぞれのディスプレイがどのような機能を持つかについて議論する。また、(3) ハクセンシオマネキのディスプレイを周囲にいるコメツキガニが識別し、リスクの大きさに応じて適切に行動を変化させることを示す。さらに、(4) ハクセンシオマネキのオスには2割ほど貧弱なハリボテのハサミを持つオスが混じっており、それらがブラフによって儀式的闘争に勝つことや、(5) そのブラフの裏をかくカウンターブラフが存在することについても紹介し、カニの闘争における複雑な駆け引きについて明らかにする。
詳細や参加登録方法などはこちらをご覧下さい。
https://sites.google.com/view/nibb-ethology/オンライン講演会?authuser=0
学生・研究者向けの内容ですが、一般の方のご参加も歓迎です!
19時30分~21時00分オンライン研究交流会あり【詳細はwebで】
本活動は基礎生物学研究所2024年度共同利用研究(24NIBB801) の助成を受けています