2022.03.25 NIBB生物機能情報分析室 テクニカルセミナー
近接依存性ビオチン標識 (BioID) 法による生体内タンパク質間相互作用の大規模解析
小迫 英尊 教授(徳島大学 先端酵素学研究所 藤井節郎記念医科学センター 細胞情報学分野)
2022年03月25日(金) 15:30 より 16:45 まで
オンライン開催
NIBB生物機能情報分析室 森友子(7670)
多彩な生命現象の制御機構を理解する上で、細胞内におけるタンパク質間の相互作用を大規模に明らかにすることは重要である。近年開発された近接依存性ビオチン標識 (BioID) 法は、生きた細胞や個体内で直近に位置するタンパク質をビオチン標識することにより、一過的で弱い相互作用因子や難溶性複合体の構成因子も同定できる強力な技術である。この技術の鍵となるTurboIDやAirIDなどのビオチン化酵素の改良も進んでいる。しかし、ビオチン化タンパク質をストレプトアビジンなどで捕捉する従来の方法では、非特異的にプルダウンされるタンパク質も多く、バックグラウンドが高いという問題があった。最近我々は、ビオチンとの可逆的結合能を有する新規アビジン様タンパク質Tamavidin 2-REVを用いることにより、ビオチン化ペプチドを特異的に濃縮・同定する簡便な手法を開発した。本セミナーでは、BioID法の概要と共に、この手法を用いた様々なタンパク質に対するBioID解析の応用例についても紹介したい。