2018.01.16
先端バイオイメージング支援プラットフォーム
画像解析支援 公開セミナー
画像解析による細胞骨格束化の定量評価
桧垣 匠(熊本大学 国際先端科学技術研究機構)
2018年01月16日(火) 17:00 より 18:00 まで
明大寺地区1階 第1セミナー室 (132-134)
形態形成研究部門 上野 直人(7570)
アクチン繊維や微小管などの細胞骨格の束化は細胞の分裂や変形など細胞形態変化と密接な関係がある。そのため、顕微鏡観察と画像解析により細胞骨格の束化を正確に評価することは細胞生物学分野における基本的な実験手法と位置付けられる。これまでに私たちはGFPタグしたアクチン繊維結合タンパク質の共焦点顕微鏡画像に基づき、繊維状構造を構成する画素群の輝度分布の歪度がアクチン繊維の束化を定量評価する指標として有用であることを報告した(Higaki et al. 2010)。現在、本手法は細胞骨格の束化を定量的に推定する最も標準的な手法として国内外を問わず広く活用されている。しかし一方で、本手法の汎用性・妥当性の検証は必ずしも十分ではなかった。例えば、極度に束化して微細な繊維がほとんど観察されない状態を評価する場合には、歪度を用いた既存手法は不適であるという問題点があった。そこで私たちは、多様な細胞骨格の顕微鏡画像の収集と解析を通して、より汎用的な細胞骨格束化の数値指標の探索に取り組んできた。最近、細胞骨格を構成する画素群の輝度分布の変動係数が既存手法の歪度よりも高感度かつ汎用的に細胞骨格の束化を検出できる可能性を見出したので本セミナーで議論したい。
主催:文部科学省科学研究費助成事業・新学術領域研究・学術研究支援基盤形成
「先端バイオイメージング支援プラットフォーム」 画像解析支援担当